第12話 絶体絶命の大ピンチ
入浴を終えたあと、パジャマ、シャツ、パンツを忘れたことに気づく。
「心さんに裸を見せるのは、シャレにならねーぞ。どうしようか・・・・・・」
6畳のフロアでは、心さんが滞在している。裸を見せようものなら、大声を出されるのは確実な状況。部屋を貸している身でありながら、痴漢で通報され、獄中生活行きになりかねない。
絶体絶命の危機を脱出するために、必死に知恵を絞らせていると、もっともいいと思われるアイデアを思いついた。これならば、うまくいくはずだ。
「心さん、トイレの中に入ってくれ。10分以上はいてくれると、すっごくありがたいんだけど・・・・・・」
10分もあれば、着替えを済ませるのは容易。
「わかった。トイレに行けばいいんだね」
トイレに行っているすきに着替えを済ませる、そのように決めた男は、猛ダッシュでお風呂場から出た。
心はトイレに入っておらず、部屋でゆっくりとくつろいだままだった。
「彩羽君はお風呂を終えたあと、裸でブラブラしているんだね。そうなんだ、ふーん・・・・・・」
「心さん、ご、ご・・・・・・」
「部屋に住まわせてもらっている立場だから、今回だけはなかったことにしてあげるね」
上から目線にカチンとくるも、反論する余地はなかった。他人に裸を見せるのは、公然わいせつにあたる。
「彩羽君、服を着ないと風邪ひくよ」
「わかった。すぐに服を着る」
しどろもどろになっていたからか、パジャマを探すのに時間がかかった。そのこともあって、汚い裸体は長時間にわたってさらけ出されていた。
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