第21話 絶対に許さない。
「このまま死ねると思うなよ、カス。怒り狂った俺の前だと、死は、それ以上の苦痛を与えられないという意味で最大級の慈悲。だが、俺はお前らに、慈悲を与える気はない。今後、ずっと、介護なしでは生きられない社会的弱者として生きていってもらう」
容赦はしない。
こいつら相手に、容赦など、してはいけない。
そう自分に言い聞かせているよう。
「……も、もう……ゆるし……」
そんな、配下Aの言葉に対し、カドヒトは、
「絶対に許さない」
と、無慈悲にそう言ってから、
最後に、配下Aの局所を踏みつぶす。
悲鳴の中、カドヒトは、他の配下連中に視線を向け、
のたうちまわっている配下Aを指差し、
「これが数秒後の、貴様らの姿だ。覚悟はできたか? 俺はできてる」
などと宣言してから、
ほかの配下連中に襲い掛かるカドヒト。
悲惨な血の海。
虐殺の嵐。
最初は、カドヒトを殺そうと立ち向かっていた『オンドリューの配下たち』も、カドヒトの『強さ』と『狂ったような殺気』にあてられて、逃げまどうだけの子羊になりさがる。
「すでに、この領域には、強固な結界魔法を張ってある。俺にロックオンされて逃げられるわけねぇだろ」
どうにか、ここから逃げようとしている連中の首を掴み、手足を引きちぎっていく。
「ぎゃああああああ!」
「痛いか? 痛いよなぁ? いやだよなぁ? 殴られたり、砕かれたり、そういうことをされるのはイヤだよなぁ? 人が嫌がること、やってほしくないこと……その程度のこと、想像するだけでも分かりそうなもんだよな? なのに、お前らは、それを、ずっと、魔人に対してやり続けてきたんだよ……だったら、許されるわけねぇよなぁ?」
そう言いながら、カドヒトは、羅刹の目で、『オンドリューの配下』をズタズタにしていく。
「た……たすけ……あやまる……あやまるから……」
と、そんなことを言ってきた『オンドリューの配下B』に対し、
カドヒトは、
「そうか。あやまるのか」
「ああ! 謝罪する! 本気で! 心から! 反省する! もう二度とやらない! 誓う!」
「ああ、そう。……で、だから、なんだ?」
「……ぇ……」
「あやまる。OK。理解した。自分の過ちを認め、謝罪する。大事なことだよな。そして、二度と同じ過ちをしないと誓う。大事なことだよ。……で? だから?」
「……だから……たすけて……」
「笑わせるねぇ。ちなみに俺は『人を殺して、ごめんなさいで済む世界』を、見たことがないんだが? お前はあるのかな?」
「……な、なんでもする……あんたの……配下として……働く……だから……」
「はははははは」
カドヒトは、腹を抱えて、おかしそうに笑ってから、
「……なんで、お前みたいなカスが、『俺の配下』という栄誉を得られるんだよ。俺の配下ってのは、『ハンター試験(最高難易度の人間テスト )』 を主席合格したやつだけの特権だ。人生のプラチナチケットと言ってもいい」
「はんた……?」
意味が分からないという顔をしている配下の目を、
「ぎゃあああああああ!」
グニっと、潰しながら、
カドヒトは、
「俺が聞いた中で、一番胸糞だと思ったのは、盲目の魔人をイジメぬいて殺したって話だ。……本気で思うんだが……よく、そういうことが出来るよなぁ。まともな感性で出来ることだと思わないんだが? なあ、マジで質問するから、ちゃんと答えろ。そういう、ラリったことをしている時に、お前の『ここにある臓器』は何も感じないのか?」
そう言いながら、カドヒトは、『配下B』の心臓部分をつま先で蹴り上げる。
「答えろよ。三下。俺の質問には、死ぬ気で解答しろ」
「う……う……助けて……誰か……助けて……」
「はははっ! ほんと、ワラかすじゃないか。ヘソで沸いた茶が蒸発する。……誰がお前を助けるんだよ。自分が『助けられるに値する』と本気で思うか? 助けられる側に立てると本気で思うか? その運命にありつけると、本気で……思うのか? あん?」
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