第6話
「ははっそれがいいかもね、戻って来れないように遠くの海に」
「雨のおかげで遠く流されるだろ」
「それもそーだね、雨でよかったー」
「まってよ、2人とも、怖いって
…2人が言ったら冗談にきこえないから
それはやっちゃアカンよ、捨てないで」
こわいこわい
ほんとにできる人たちだよ、この2人は
「ははっ…バカランカ」
「ふっ…ほんと馬鹿だな
こんな馬鹿だから、アイツも根負けしたんだろ」
「ははっその通りだよ
ランカの馬鹿なところに呆れたんだろうね」
「2人していわないでよ
そんなんじゃ…ないもん…」
いや、あの人も…そう思ったのかな?
あぁ、悲しい
二度と会うことは無いだろうけど…
「あ、写真ね…どうぞ」
ケータイからアラタくんの写真を選びタクトにみせる
「…へぇ、でけぇ」
「かわいかった、天使だったね」
「まぁ…」
「1歳だって…タクト知ってた?」
「あぁ、当然だろ」
「タクトは…会ったことあるの?」
「生まれた直後に1度だけ
卒業式の日に生まれたんだアラタは
ハヤトを追い出した日に…な」
皮肉ともとれる言葉
タクトにとってアラタくんは
ハヤトくんを追い出した原因はアラタくんが生まれたから…そう思ってるのかな
でも、たぶん…その通りなんだろう
嫌いというわけではないだろうけど
アラタくんの存在を私たちに話さなかったのは…弟を弟と呼べないから、思えないからなんだろうな
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