第4話
話を聞き終わり、一瞬の静寂
「…馬鹿だな」
タクトが切るように言葉を並べた
「本当に…その通りだよな
ただの勘違いで勝手に思い込んで…」
「俺だよ」
「え…?」
「馬鹿は
ハヤトが悩んで苦しんでる時…俺はそれに気づかず、兄貴…失格だな」
「タク…」
「ハヤトが俺に話せなかったのは
…俺が天才なばかりに勉強してたせいで」
本気で…言ってんのか…自分が天才だと…
冗談を言ってる感じでもないから、笑う事なんて出来なくて、ただただ…ぽかんとタクトを見つめた
「…いや、タクを責めるつもりはないよ
黙っててごめん、もっと早くいえばよかった」
「いや、ほんと…俺の方こそ…悪かった
そのことで、わざわざ竜胆まで行ってきたんだな。納得」
「あぁ、何も言わずいきなり行って悪かったな。ニラさんたちは…」
「なんも言ってねーよ、この機会に大人しくなるだろってだけ
クソガキは…まぁ、言った通り…
朝も泣き叫んで 俺から 離れなかった」
「はは…許してくれるかなー
明日学校休みでよかったよ、タク、明日コウの好きなとこ連れてってやろうな」
「あぁ」
思ったよりすんなりタクトとハヤトくんがいつも通りでよかった
タクトの微笑む顔、不機嫌な顔…お母さん譲りなんだ
目元とか口元とか…タクトのほうがお母さんに似てる
「…で、お前も悪かったな…言われたんだろ?いろいろと」
「うん…でも、ぜんぜん気にしてないよ
謝ってくれたから」
「プライドの塊が謝んのも驚き…」
「私も言いすぎたのかも…私は平気だよ」
ハヤトくんを見たら、優しく微笑んでるハヤトくんと目が合った
「ふーん、で、どうだったんだよ。みたんだろ?」
「え?」
「はは…ま、かわいかったかな」
なんの話し?これなんのはなし?
ハヤトくんとの…熱い夜のはなし?
「…さ、最高でした」
「へぇ、感想は?」
「え、いや、まー、一言でいうなら最高
でも、はずかしすぎて、死ぬかと」
「?…写真、みせろよ。どーせ撮ってんだろ?」
「は、はあ?あるわけないじゃん
それにタクトは毎日みてんだから、いらないでしょ」
「は…毎日?見たことねぇけど」
「ランカ?」
「え、えろい写真とるわけないでしょ」
「「!?」」
「その時間は…2人だけの時間というか…誰にも見られたくないし」
「お前、なにいって…」
「ハヤトくんのえろい顔も声も汗も私だけが覚えておきたい」
「ちょ、おい、」
「夜して朝もするのは、しすぎな気が」
「ランカ!!」
ハヤトくんの大声にハヤトくんをみると…
恥ずかしそうに呆れて、ため息を…なんで?
「マジでやめろ、公開処刑かよ…」
「え?だってタクトが…」
「聞くわけねぇだろ、お前が勝手に話し出したんだ」
「…は…?」
タクトが言い出したのに…
「アラタのこと、俺がきいたのは
お前の初体験きくわけねーだろ、興味ねぇよ」
「…それしかないだろ」
「ちゃ、ちゃんと主語いってよわかんないよ」
「言わなくても分かれよ」
「ま、紛らわしい!ハヤトくんの弟って言ってよ!てっきり私…ハヤトくんとの」バチーン
「い、痛い」
思いっ切りハヤトくんから頭叩かれた…
「バカランカ…変態」
「うっ…」
「とんだ変態だな」
「ううっ」
タクトのせいだよこれは
だがしかし…何も言い返せない…
「…海に捨てるか」
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