第193話
「え?」
「ほら、みて」
「カエルだ·····」
ヒロちゃんの目線の先にはカエルの置物が
キッチンの上にいらっしゃった
カエルか·····首にもいるよ
離すことなくこのカエルはいつだって
私の傍にいてくれる
「ランランカエルすきなんでしょ?」
「え?いや、好きってわけじゃないけど」
「だって毎日つけてるよね
そのネックレス」
「あ·····これは、その」
ヒロちゃんたちにこのネックレスのこと
言ってなかったな
ハヤトくんから貰ったってことを
話が聞こえたのかマユちゃんは
やべっという顔をしてるのが隣りでわかった
「ヒロ!」
「ん?····」
マユちゃんは首を横にブンブンとふる
「え·····まさか、え、まじで?」
「ち、ちがうよ!ヒロちゃん」
事を察したのかヒロちゃんが驚く
なっつんたちも話をやめて私たちを覗いてくる
「え?なに、どしたの?カエルって?
ランカのネックレスのこと?」
「なつ!·····いっちゃだめ」
ミヤビは腐ったミカンの言葉を思い出したのか
なっつんを止める
「あっ·····ごめん」
重くなった空気を切るように私は
「ち、ちがうよ、これは···その、
し、しらないおじさんにもらったの!!」
「「「え?」」」
「だから、その·····付けるの慣れちゃって·····
ずっと、付けてるだけだよ」
「ランラン···」「ランカ·····」
ミヤビとなっつんが後ろの方をみて
きまずそうにしてる
「か、カエルなんてすきじゃないから
ぜんぜん、すきじゃない
趣味わるい·····ネックレス、だよね」
「「「·····」」」
「はい、おまちどうー」
それぞれラーメンが目の前に並ぶ
「たべよ」
「·····うん、食べよ」「いただきー」
「いただきます」「うまそっ」
ハヤトくんたちをみることはできないから
どんな顔してるかわかんないけど
ハヤトくんに聞こえてませんよーに
そう思ってラーメンを食べた
「すいません、替え玉ください」
ハヤトくんの声だ、多分
替え玉頼むってことは話はきいてなかったってことか
よかった
ハヤトくんうそだからね
大切な宝物なんだよ
振られても
そばに居てくれなくても
カエルはそばにいてもらうから
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