第159話

私に気づくと近づいてくる


「寝起き?」


「ち、ちょっとだけ…寝てて」


「…寝あとついてる」


「わ、私になにかあるの?もしかして、奢ったこと?す、すぐに払う」


教室へもどり財布を持ってこようとしたら


「ちがうよ、話·····あって」


話…いやな予感がする


教室からはマユちゃんたちの

こそこそとキャッキャしてる声が聞こえる


「場所·····かえよ」


ハヤトくんは私に背を向けて歩き出した



私だって話したいことたくさんある


私のことを見ずに、名前を呼ばずに、歩き続けるハヤトくんに警告音が私のなかで鳴り響いた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る