第42話

「…あんたに頭を下げるなんて冗談じゃない

高校だけじゃない…あんたがあんなことさえしなければ、あたしたちはなにもかわらなかった

それなのに…あんたのせいでどれだけこっちに迷惑がかかったと…」


あんなこと?


キョウヤさんなにしたのよ…もう…



「やつあたりか…みっともねー

高校にあがってもお前がこれじゃ、おやじさんがかわいそーだ」


おやじさんとはきっとスイレンのお父さん…かな


だけどそれは、スイレンにとっての引き金だった



「…あ?」


ぶちギレたな…スイレン



「あー…助けならじいさんにいえば?…よかったな、じいさんまだ生きてて…

お前が言えるなら…簡単にこのこと解決するだろ」



よくわからないけど、皮肉に聞こえる言葉


じいさんって総代のこと?



だけど、スイレンは別の意味に聞こえたみたいで、顔から血の気がひいていく



「っ…まさかあんた……知って…」



「さーな、お前は俺に喧嘩を売った

…徹底的に買ってやるよ…わん公!」


ユウジンを睨み付けながら言った


「…はい」


「主人のリードぐらい、しっかりもってろ」


「…すいま」

パン…「ッー…」


「「「!?」」」


スイレンがキョウヤさんを平手打ち…



「いっぺんしね…クズの竜が」



「「「…。」」」




もしかして私たち、とんでもない現場に居合わせた?

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