第43話
「ユウジン!」
スイレンがユウジンに向けて言った
ユウジンはこんな状況だというのに、あせるどころかマイペースに
「…っす」
一言だけ…え、なんでこんな冷静なの?
「あやまる必要なんてどこにもないでしょ…こんなクズに」
「…上等…南蛇ヰも潰してやるよ」
「キョウヤさんっそれはいくらなんでも」
「勝手に潰せ…あんな組はなからいらねーんだよ」
え!自分の家をそんな風にいうなんて…
「…そのときはわん公もいっしょに…だぞ」
「ユウジンに手だしてみろ
…そのときはあたしがお前の首を食いちぎってやるからな」
スイレンに驚いた
主を守るのが犬の勤めであって、ユウジンがキョウヤさんに噛みつくのはわかる
主であるコウちゃんのために行動するハヤトくんをみてきた
それをそんな風にいうなんて…逆ではないのか
ユウジンをみても何も考えてなさそうな、いつもどうりの眠そうなだるそうな顔してる
「…いこうユウ…こんなとこいたくない」
「うっす」
ユウジンはなにもなかったかのように、エンジンをかけ乗りこむ。スイレンはずけずけとみんなをどかし、その後ろに乗った
「いっとくが…ヒュウガミズキをどうにかしねーと意味ねーぞ」
どういう意味だろう
「そんなやつしらねーよ!」
そして、そのまま二人は走り去っていった
スイレンはユウジンを強くだきしめていたことが強く印象に残った放課後の出来事だった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます