第20話
「会わないよ…あうわけないじゃん!!」
声をあらげるなっつんに驚きつつも私たちは大笑い
「あははっナツとキョーヤさんお似合いだとおもうけどなー」
「だよね、なっつんには年上が合うと思うんだよねー」
「うんうん。さくっとつきあっちゃえばいいのに」
「シュウよりキョーヤさんが断然いいっしょ」
「…っ!」
ヒロちゃんがシュウくんの名前をだしたことでなっつんはギュッと口を結んだ
空気が変わったのを私たちはすぐに感じ、シュウくんの名前をだしてしまったことに後悔するヒロちゃん
「ま、まぁ…浮気しなそうじゃん」
「そうだよ…キョウヤさん絶対浮気しないよ」
キョウヤさんの男気は人を引き付ける
そして、キョウヤさんは期待に応えてくれる人
そんな人が人を傷つけることはぜったいにしない
なっつんが戸惑いながら言葉を絞り出した
「シュウは…相手がいやがることはしない
アイツは浮気魔でたらしで不真面目だけど…優しいとこ…あるから」
たしかにシュウくんは優しい
モテる理由も彼女が切れない理由もわかる
人がすきだというあの人柄に私も助けられた
「…例えばさ」
ミヤビが空気を切るように話を始めた
「ナツがまだ、シュウをすきだとして…」
「すきじゃな」
「例え話だから…きいて」
「シュウともう一度つきあえることになったとしたら…ナツは幸せかもしれない」
「…まぁ」
「けど、アイツは絶対浮気するよ…」
シュウくん本人が言ってた
“俺にとってはみんなが恋愛対象”
“みんなが俺のことすきになれば良いのに”
「…シュウくんは、一人に絞れないって言ってた」
「っ…わかんないじゃん!!」
ここいちばんのなっつんの声のでかさに教室中が静かになった
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