第18話

「学校でまで顔みたくない」

「リンカは毎日顔会わせてるもんな」


「…どーも」


「おう…」


シュウくんは愛想よくキョウヤさんに挨拶をするとリンカたちとの会話に戻った


だからこそ私たちはわざと…


「いまからナツはキョウヤさんとデートするんだってー」

「おもいっきりラブラブイチャイチャしてきてください」

「楽しんできて」


「いや、つ、付き合ってないし」


シュウくんがいるからかいつもより余計に動揺してるなっつんがいた


「ナツ、乗れよ。じゃーな、ガキども」


シュウくんはなに食わぬ顔でこちらをみないけれど、なっつんはどこか寂しそうで車に乗り込む



「ナツキ」


車のドアが閉まる直前シュウくんが止める


お!今日こそ止めるのか!?って思ったけれど違った


「…いってらっしゃい」


シュウくんは止めることせず、にこっと笑いなっつんを見送った


シュウくんはいったいなにを思ってるのか…

キョウヤさんたちを見送るとたまらず私は…



「なんで…止めないの?」


「ん?引き留める要素ある?いい人そうじゃんキョウヤさんって」


「そうだけど…でも、なっつんはシュウくんのことを」

「ランカ、やめな」

「コイツに言ったって無駄」

「ナツにだって…幸せになる権利はある」


「みんな誤解してそうだからいうけど、フラれたのは俺。俺だってナツキには幸せになってほしい」


それは本心?


シュウくんが本気でとめたら、話ができたら

浮気なんてしなければ…なっつんはいまもシュウくんと…タラレバなんて意味がないけど考えてしまう


キョウヤさんとなっつんがお似合いなように

シュウくんとなっつんもお似合いだから




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る