第16話

「ははっ…ユウジン、ひさしー。スイレンさんはご立腹?」


「まぁ、学校では…家じゃ反動で暴れまくってますけど」


「暴れてないわよ」


「昨日だってずっと…あー…ども」


ユウジンが私に気づき、スイレンも私に気づいた


「ひさしぶり…前はお見舞いきてくれてありがとう」


ユウジンとスイレンは退院間際に私のお見舞いにきてくれた


ユウジンにつれられてしかたなく…という感じがぷんぷんしたけれど


「別に」

「あのときは俺1人でいくつもりだったのに」


「ユウを1人行かせるわけないでしょ。ユーはあたしのそばにいなきゃだめなのよ。だいたいユウはあたしの犬として」


「はいはい…そっすねー

じゃ、俺らは昼に行くんで…お先です」


「あ、流した!今、ながした!ほんと生意気!!」


「流してませんって…俺はただ合理的に馬の世話を」


「んな!?う、うまって…主人に向かって馬ってなんて人なの!ありえない」


「はいはい。すいません

エサたべいきますよーご主人様」


「キー…エサって餌ってだれのよ!」


嵐のように去っていった二人をみて私たちは



「…なんか、おもしろそうな予感」


シンくんが呆然と呟いた


「あの娘がヤクザの組長の娘…」

「すごい…」

「普通…でもないか」


「ほんとだよね…ユウジンとスイレンのコンビすきだなー」



私たちはそんな2人とは背を向け教室へ戻っていった

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