第8話

「うそじゃないよ!マユちゃんは親友であってクラスのみんなとは普通に仲良かったもん」


「ははっ剥きになんなー

親友ねー…」


「ハヤトくんの親友はタクトだね」


「ははっ…親友ってか兄弟だから

アイツらみんなが俺の兄弟です」


「あははっ…そっか」


「あ、でも親友か…あのなかでも一番行動いっしょにすんのはケイトだから…んーケイトになんのかな」


「そういえば、高一のとき、初めて話したのがケイトくんと話してたからだったね…ハヤトくんがいきなりやってきてびっくりしたよー」


「ははっよく覚えてんなー…じゃー俺は学校戻るからここで」


分かれ道に差し掛かったまっすぐいけば学校

左にいけば、リートランのある通りにつく


今日はここでバイバイか…


「うん…」


私は辺りを見渡して誰もいないことを確認後、腕を広げた


「…ランカ?」


「わかれの…ハグを所望します」


「しょもー?……あぁ、抱きつけってことか」


「はいっ」


腕を大きく広げ、ハヤトくんに期待の眼差しを…



「ぷっ…ばかランカ」


ハヤトくんは近づくと腕を広げ私をぎゅっと…ハグ


苦しいほど強く抱きしめられ、息ができない


「く、くるし…」


「ははっこんくらいがいーだろ」


すぐに私を離すと


「あと、これはサービス」


ちゅっと軽いキスをしてくれた


「~~っ…大好き」


私は思わず抱きついた


「はいはい…早くいかねーとエビマヨちゃんたちかえるよー」


「あ、そーだった…じゃ、またねハヤトくん」


「おう、じゃーなー」



私とハヤトくんは別々の道を歩きだした



1人になりリートランへ向かっていく




「……今日も、繋いでくれなかったな」


ハヤトくんへの好きという気持ちは3年になってからも衰えることはない


ただ、付き合い初めてからハヤトくんと一度も手を繋いだことがなかった


それがすこしだけ気がかりで


繋ぎたいからねだっても

ハヤトくんは絶対に手を繋いでくれない



夏は暑い

冬は寒い


交わされることが続き、今じゃ諦めて言うこともしなくなった



ハヤトくんは手を繋ぐのが嫌いなんだろうな


手を繋げないから嫌いとかは一切ないけど


やっぱり繋ぎたい



けれど、強くは言えない

強く言えば、喧嘩に発展しそうで…関係が悪化するくらいなら私が我慢すればいい



ハヤトくんが怖いというわけではない

大好きだから喧嘩なんてしたくない



ただ、全てをハヤトくんに合わせてるから

私はまだまだ犬をぬけだせてないようで




すこし、悲しい…

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