第6話
うそつき
あきらめることなんてしないでしょ
いっそのこと無理やりされたら言い訳できるのに
じっくりと…焦らすような触りかた。やめてほしい
「ほんと、やだ…」
「ふっ…いま足、開いてくれたら…やさしくしてあげるけど?」
優しくしてくれたときなんて退院したばっかのあの日だけ
あのときみたいに優しくしてくれるのか
あの日を思いだすと、いまにも理性が飛びそう
「思い出した?あの日のこと」
もう頷くことしかできない
「今日みたいに倉庫使えなくてホテルいったよな」
そう。あの日も先客がいたからタクシーでホテルいくことなって恥ずかしくて笑いあった
「ランカ、泣いたよなー」
嬉しかった
あんなに私の身体をいたわり、優しく丁寧に扱われたことにたいして
ハヤトくんともう一度ふれ合える幸せにたいして
あの日、私は泣いた
「…し、しあわせだなって…思って」
「…だから、ほら…してほしくない?」
試すようなものいい
ハヤトくんはわかってる
私が足をひらくということを
力がぬけていくことをしっている
優しくしてくれるなら、そりゃしてほしい
だけど…
私はゆっくりと振り向き、ハヤトくんを見上げた
「優しく…しなくてい」
一瞬目を見開いたけど、勝ち誇った顔をして
「じゃ、どーしてほしい?」
「つ、つよくて…はげしいのが…い」
「いーよ」
そのまま後ろへたおれこみ、私はハヤトくんの上にまたがった
そして、次にやって来る激しめのキス
お互いを貪るようなキスだった
ハヤトくんに敵うわけない
勝ったことなんて一度もない
私の言うことを聞かないで自分のしたいことをする
3年になっても変わることはなかった
それでもいい
ハヤトくんのしたいことが私のしたいことになるから
もっと私を独占して
独り占めして、印をつけて
そうしてくれたら私だけを考えさせるから
本日2度目
私のことだけ考えて
余裕ない表情を私だけにみせて
怒って、キレて、私を傷つけて
ハヤトくんのなかに落ちていく
…3年生扁スタートです
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