2024年11月12日 無限に存在する文明

人類は無限の時間と無限の空間を手に入れた。無限に広がる世界の中で、人類が経験するはずだった無限のifの歴史が展開されている。「地球」と呼ばれるコロニーで育った人類は、一定の教育を受けた後、自分がどのような文明を選択するかを選ばされる。無限の世界の中には、奴隷制のまま歴史が進んだ世界もあれば、民主主義を続けている世界もあり、完全に科学技術を放棄して自然に返ることを選んだ世界もある。他の星を侵略して帝国主義を続けている世界もある。世界は時間的にも空間的にも無限に広がっているから、理論上は人間が考えつく世界はすべて存在している。「地球」で教育を受けた子供たちは、自分が最も正しいと思う歴史を選んでそこに住むことができる。

主人公はそのような世界のあり方自体に反対した。無限の可能性が存在していると言うことは、論理的に考えれば無限の悲劇が存在していると言うことになる。人類は世界を消滅させなければならないと主張する。人類は世界を手中に収めたが世界を消滅させる方法は見つけていなかった。主人公はあらゆる文明を滅ぼし尽くすことを至上とする文明を選び、時間と空間を越えてすべての文明へ宣戦を布告した。

世界は戦火に包まれた。主人公は捕らえられ「あらゆる文明を滅ぼし尽くすことを至上とする文明」という可能性だけは刈り取られてしまった。世界に平和が訪れ、様々な時間と空間で、様々な文明が運動を始める。

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