第2話 メイドっ娘‼︎全員集合♪ポロリもあるヨ

次の休日、田中将一は緊張と期待の入り混じった気持ちで池袋に向かっていた。目指すは、近年話題を呼んでいるソープランド「メイドっ娘‼︎全員集合♪ポロリもあるヨ」、通称「ポロリ」。長く愛されてきた古き良き「メメント盛り」が閉店して以来、田中は新たな居場所を求め、探索を続けていた。インターネットの闇の奥底から得た情報によれば、この店には「今どき珍しい地雷嬢」がいるというのだ。


田中の心は高鳴っていた。一般に「地雷嬢」と言えば、リウマチのせいで身体が固く、マグロであること、臭い玉のせいでキスが納豆臭いこと、ムクミが酷くて身体がパンパン、更年期障害で情緒不安定、さらには水虫で足が臭い、など様々な個性を持つという。妙子たんが残した愛の記憶を胸に抱き、田中はその可能性に賭けていた。


「くくく、まさに妙子たんみたいな嬢に違いない‼︎ いざ、店に出陣じゃあ‼︎」


田中は店のドアを開けた。そこにはピンクのフリルで飾られたカウンターと、メイドの格好をした受付のロボットが立っていた。人間のように動き、あからさまに高揚した声で話しかけてくる。


「いらっせーませぇ。ご予約の方ですか?それともペニーのイラみをピュッピュッシしたいからフラっと来た方ですか?強盗の方ですか?おぉん?」

田中は一瞬戸惑いながらも、名乗った。「あ、予約した田中です」


「うぃっす、なら1919号室でバトルバニー嬢のラビット太郎JQ子がお待ちです。お楽しみ下さいな。デュフフッ……」


田中は一抹の不安を感じた。「今まで熟女ソープしか行かなかったら分からないけど、最新のソープは変なテンションなのかな?なんだよペニーをピュッピュッシって?」 彼は思わず心の中でツッコミを入れながらも、店の指示に従い、1919号室へと向かった。


扉を開けると、薄暗い部屋の中には、不気味に光るレッドカーペットと、白いガーゼのようなカーテンが揺れている。田中が一歩踏み込むと、足元にあった小さな物体を踏んでしまった――。


「ドカァン‼︎」


壮絶な閃光と轟音が室内に響き、田中は地面に叩きつけられた。目を開けると、煙の中から浮かび上がるのは、バニーの格好をした女の子の姿。いや、それは人間ではなく、明らかにロボットであった。


「ヒャッハー‼︎ 逃げる客は冷やかしだ‼︎ 逃げない客は良く訓練された冷やかしだ‼︎ 本日もソープランドは地獄だぜぇ☆」


煙の中から姿を現したのは、うさ耳を付け、漆黒のレオタードを身に纏ったバトルバニー嬢、ラビット太郎JQ子。彼女はまるでアクション映画の悪役のように、拳銃を突き出して田中を睨んでいた。


「なんだこいつやべぇ……」田中は驚愕の声を漏らした。明らかに異様な空気を放つ彼女を前に、冷や汗が背中を伝う。


「さっそく、いたそうゾ‼︎ いたそうゾ‼︎むふぅ」

ラビット太郎JQ子は、田中に近づくと、強引に彼のパンツを脱がそうとする。


「いや、ちょっと待てや。もしかしてキミが地雷嬢って地雷を使うから?」田中は恐る恐る質問した。


「オーイェース♡」JQ子は自信満々に返答し、無理やり田中をベッドに押し倒した。


「チェンジで」

「はーい、残念でしたぁ。ソープランドにチェンジなんてシステムはありましぇーん♡ お兄さんは私の中でピュッピュッシする運命でしたぁ。ほーらほーら」


JQ子は変なテンションのまま、田中の衣服を次々と脱がしていく。彼は抵抗する力もなく、気がつけば自らの意思とは無関係に「合体」してしまっていた。感覚的にはまるで変身ロボットの合体シーンのようだった。


田中は目を見開きながら、その奇妙な体験に戸惑う。どこか非現実的で、どこか間違っていると感じていたが、どうにも抗えない流れに巻き込まれていく。


そして、行為が終わった瞬間、田中の心には空虚な感覚が広がっていた。心のどこかで理解していた――「これは俺の求めていたものではない」と。


店を出た田中は、足取りも重く、夜の池袋の街を歩いた。最新のソープランド体験は、まるで異次元のようだった。技術は進歩したが、その中で失われたものがあることを、彼は痛感した。


「熟女ソープが恋しい……」


田中の旅はまだ始まったばかりだ。新たなロボットの世界を探索する中で、彼は果たして、自分の心に寄り添う「温かさ」を見つけることができるのか――。

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