とある海外の結婚式のインタビュー映像を見せられた。

VHSのような砂嵐まじりの草原の上、真っ白い花嫁と背広の新郎に両端にはその2人の両親2組、全員白人のようだけど目元が荒いモザイクで隠されている。

背後には城壁かはわからないが立派な石積みで、周りに協会や家は全く見えない。

新郎が満面の笑顔でカメラ(僕の方)をまっすぐ見つめて何かを言っているかわからないが、話しているだけのホームビデオ。

大切な日を忘れないように記録しているようだった。

しばらく見ていると、いきなり視界いっぱいに蚊取線香が映ったかと思うと、サブリミナル効果みたいに、新郎の顔がドアップになる映像と交互に流れ始めた。

線香は今にも燃え尽きるその一瞬を何度も繰り返して、新郎が話終えると花嫁が話し始めた。

その時には線香の映像は流れなくなっていた。

すると、どこからかナレーションが聞こえ始めた。

「ここ○○では結婚式の時に蚊取り線香を燃え尽きるまで待ってから結婚式を開始するという文化があります。｣

蚊取線香のCMだったのか、と私は妙に納得した。

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