夢 3


2度寝して夢を跨いだせいで前半は忘れてしまった。


「宇宙に行くことになった。」


弟の小さい声が聞こえ、目を開けた。(珍しく終わりまで一人称視点が続いた夢だった。)


そこは父方の祖母の古臭い家だった。

リビングの畳ばりにダイニングテーブルがあり、テレビの前にあったソファはなく、ソファのあるはず場所に僕と弟がいた。 畳は酷く日焼けをして、端のほうは剥がれていた。前よりずいぶん年季が入ってしまっているようだった。


弟は、「行ってくるわ」 と言い私の足元にしゃがんだ。そこには5センチほどの穴があった。柱のように強烈な風が顔まで吹き上がってきた。


宇宙の果てに浮かぶ家が頭の中に流れてきた。周りには惑星も飛ぶ岩もない、薄紫がかった空に星が光っているだけだった。


意識が戻ると、しゃがんだ弟は半畳を持ち上げて私の顔を見上げていた。気味の悪いしわくちゃ笑顔だった。


弟はこのまま宇宙に飛び込むのだと、感じた。


最期を見届けるのが嫌になった私は奥の洗面台に向かった。





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