第27話

東京23区内にある、少し大きな公園。


近くの小学校に通っているのであろう小学生たちが、ボール遊びや鬼ごっこをして遊んでいる。


青く高く澄んだ空は、11月のツンとした秋晴れの空気を優しくこの公園に運んできている。


どこまでも続きそうなその青さは、心までもを無限大に引き延ばしてくれるような気がした。


「ここに出来たサンドウィッチ屋さんのツナサンドがね、毎日食べたくなるくらい絶品なんだよ。」


小学生の頃何度もこの公園で遊んだという隼先輩は、うれしそうに俺にツナサンドを渡してくれた。


「…隼先輩は、昔から活発に外で遊ぶ子供だったんすか?」


口に挟んだツナサンドが、冷たく口の中に広がる。


(これが、隼先輩が食べてきた味…)


そんなことを考えるだけで、とてつもなく優しい味のような気がした。

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