第24話
(そうか…そういうことか。)
俺はその女子を、末恐ろしいと思って見た。
きっと彼女は、先輩たちが何だかんだ優しい人たちであるということを見抜いている。
そしてその優しさは、俺みたいな明らかに場違いな奴に対しても分け隔てなく接してくれるというところによく現れていた。
だから俺のことをグループに入れないで欲しいと頼んだりしたら、優しい先輩たちはきっと、そんな意地悪なことを言う女子のことを嫌うと思ったのだろう。
遠回しに俺をグループに入れないようにするために、俺と知り合いであるとか、俺が女子嫌いだとかいったような嘘をついたのだ。
あの言い方だったら、自然に俺をグループに入れないで済むし、万一先輩たちから直接俺にグループのことを聞かれても、きっと俺なら断るだろうということも見抜いているのかもしれない。
(女って怖いな。…マジで女嫌いになりそう。)
例の女子は、俺を排除するために全くの嘘を吐くような腹黒さを一切見せずに、とてつもなく純粋そうな笑顔を振りまく。
そしてその女の思惑など知らずに、その笑顔に騙されている先輩たちが少し不憫に思えてきた。
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