第18話
(ああ……やっぱり来なきゃよかった……)
合コン当日。
俺は開始わずか5分で、この場にいることを猛烈に後悔した。
「瑠千亜くんって、弟系とか犬系ってよく言われない?」
「わかる!可愛いよね。」
「言われる!けど俺それは認めてないんだよね。」
「五郎くんの黒髪めっちゃキレー。ヘアケアとかどうしてんの?」
「特別なことはしてないよ。姉貴が使っているシャンプーを俺も使わせてもらってるだけだ。」
「優くんってThe・インテリイケメンって感じだよね!眼鏡好きな女子の理想が詰まってる感じ~」
「それは有難う。」
「隼くんはきっと沼系男子だね。絶対みんな沼っていくでしょ。」
「え?ぬま?どういうこと?」
目の前の女子たちが目を輝かせてイケメン4人衆を褒めまくる。
褒められ慣れているこの人たちは、流石に女子への返しもお手の物という感じだ。
色々と状況が分かっていない隼先輩だけが、唯一純粋な反応をしている。
(そりゃあ男の俺ですら、この人たちの褒めるべき点なんて何個も出てくるんだ。女子からしたらこの人たちを褒め殺すなんて、余裕すぎるだろーな。)
明らかに「今日の合コンは大当たり」とでも言いたそうな女子たちも、瑠千亜が言っていた通り全員カースト最上位にいそうな人たちだ。
中学生とは思えないくらい洒落た服を着てしっかりメイク決め込んでいる。
(マジで場違いだって俺……)
目の前に並べられている料理を興味もないのにジッと見つめながら、明らかに恥をかいている俺は帰るタイミングばかりを探していた。
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