第17話

「……なんか強引に誘っちゃってごめんね海吏。よく考えてみたら、俺らだけじゃなくて初対面の人たちもいるんだもんね。海吏は海吏で自分の好きなように休日を使いたいだろうし、無理にとは言わないよ。でも、1ミリでも行きたいっていう気持ちを持ってくれてるなら……来てくれたら俺たちも嬉しいな。」



俺が言葉に詰まっているのを見た隼先輩が、さっきまではあんなに俺と遊びたがっていたのに、急にトーンダウンした。


隼先輩の言う通り、100歩譲って先輩たちだけならまだしも……


初対面の、しかも女子と話さなきゃいけないなんて。


しかも合コンだなんて。


俺にはハードルが高すぎる。



でも………



隼先輩は俺の気持ちに気づいているのだろうか。


1ミリも行きたいという気持ちがないかと聞かれたら正直嘘になる。



隼先輩とは正直俺も遊んでみたい。


優先輩や五郎先輩のことも、男として尊敬してるから、普段どんなことを話していてどんなことをして遊んでいるのか、少し興味がある。


だけど今回断って、次遊ぶとなった場合、その次がいつ来るのかが分からない。


この人たちは俺と違って忙しい。


すぐに予定も埋まってしまうだろう。


それに、合コンなんて、きっと俺の人生で行けるとしたら今しかない。


今後、合コンを企画することはおろか、誘われることすら一生ないだろう。



「……もし行ってみて、無理そうだったら途中で帰っていいっすか…?」



俺が発した小さな声に、2人は驚いたように目を見開く。


「うん!もちろんだよ!じゃあ来てくれるってこと?」


「まあはい。」


「やった!ありがと海吏!!」


「よし。じゃあ確定だな。海吏!お前明日はちゃんとした格好してこいよ!ダッサイ私服で来るんじゃねえぞ!」


瑠千亜の言葉にちょっとイラっとしながらも、明らかに喜んでくれている二人の様子に、俺は少しだけ口元が緩んでしまうのを必死に隠していた。

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