第17話
「……なんか強引に誘っちゃってごめんね海吏。よく考えてみたら、俺らだけじゃなくて初対面の人たちもいるんだもんね。海吏は海吏で自分の好きなように休日を使いたいだろうし、無理にとは言わないよ。でも、1ミリでも行きたいっていう気持ちを持ってくれてるなら……来てくれたら俺たちも嬉しいな。」
俺が言葉に詰まっているのを見た隼先輩が、さっきまではあんなに俺と遊びたがっていたのに、急にトーンダウンした。
隼先輩の言う通り、100歩譲って先輩たちだけならまだしも……
初対面の、しかも女子と話さなきゃいけないなんて。
しかも合コンだなんて。
俺にはハードルが高すぎる。
でも………
隼先輩は俺の気持ちに気づいているのだろうか。
1ミリも行きたいという気持ちがないかと聞かれたら正直嘘になる。
隼先輩とは正直俺も遊んでみたい。
優先輩や五郎先輩のことも、男として尊敬してるから、普段どんなことを話していてどんなことをして遊んでいるのか、少し興味がある。
だけど今回断って、次遊ぶとなった場合、その次がいつ来るのかが分からない。
この人たちは俺と違って忙しい。
すぐに予定も埋まってしまうだろう。
それに、合コンなんて、きっと俺の人生で行けるとしたら今しかない。
今後、合コンを企画することはおろか、誘われることすら一生ないだろう。
「……もし行ってみて、無理そうだったら途中で帰っていいっすか…?」
俺が発した小さな声に、2人は驚いたように目を見開く。
「うん!もちろんだよ!じゃあ来てくれるってこと?」
「まあはい。」
「やった!ありがと海吏!!」
「よし。じゃあ確定だな。海吏!お前明日はちゃんとした格好してこいよ!ダッサイ私服で来るんじゃねえぞ!」
瑠千亜の言葉にちょっとイラっとしながらも、明らかに喜んでくれている二人の様子に、俺は少しだけ口元が緩んでしまうのを必死に隠していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます