第16話

「……おい海吏。この間の大会で撮った写真あるだろ?あれ、相手の子に送っていい?」


「……はい?」


「………お、返信きた。はやっ。……『連れてきてもいいよ』だって。まじかよ。」


「ちょ、何勝手に送ってるんですか?!」


「一応聞いたじゃん。」


「俺返事する前に送ってましたよね?しかも今なんて言いました??」


「相手の子が海吏もいていいって。」


「はぁ??」


嘘だろ。


有り得ん。


絶対に有り得ん。



何で俺がハイレベルな合コンなんかに参加しなきゃいけないんだ……。



ていうか、相手の子の目大丈夫かよ?


なんで俺の写真見てオッケー出したんだよ……。


「相手がいいならよかったじゃん!海吏がどうしてもダメじゃなければ、明日一緒に行こう?」


「……まあ今更他の奴誘うのも多分厳しいしな。相手の許可降りてるから、せっかくなら来いよ。どーせお前は明日も引きこもりだろ?そんなつまんねえ時間の使い方してないで、たまには外出ろ外!」


「……はぁ……?」



相変わらずイライラすることばかり言ってくる瑠千亜も、どうしても人数を合わせたいのか、仕方なさそうに俺を誘ってきやがる。


(マジで冗談じゃねえって……)



自ら惨めな思いをしに行くことほど、無駄な休日の使い方はない。


だけど上手く断る術もない。


どうしたらいいものか……

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