第15話

「「は!?」」


不本意ながら、瑠千亜と声が被った。


でも驚いているのは同じようだ。


そりゃそうだ。


だって……



「お前正気かよ!?海吏連れてってどーするんだよ!」


「どうするって……せっかくならこの機会に遊んでみたいなと思ってさ。」


「ちょ、ちょっと待って下さい先輩。俺が行ったら多分色々盛り下がりますよ??」


「盛り下がることはないと思うけど……でもそっか、貴重な休みを無理に誘うのも良くないか。」


「いやそこかよ!」


「ほんとに無理ですからね?!先輩たちみたいな人たちの中に俺一人放り込んでみてくださいよ。いつも以上に悪目立ちしますから。」


「そんなことないって!優も五郎も後輩たちとも遊んでみたいって言ってたし。」


「でもその後輩は絶対俺じゃないと思います……」



隼先輩の提案に、事情を知ってる俺と瑠千亜は慌てふためく。


隼先輩からしたら明日はただ大人数で遊ぶ日なのかもしれないが、そんなことはない。


瑠千亜たちにとっては、大事な大事な合コンの日だ。


せっかくカースト最上位のイケメン集団と顔は知らんけど美女軍団らしい人たちとのハイレベルな合コンに、俺みたいな平凡野郎をぶち込んでみたら……



想像するだけでも恐ろしい。


そして、瑠千亜も同じことを考えているのだろう。


ましてやこいつは幹事だ。


俺みたいなのを連れて行くと、ほぼ確で相手の幹事からクレームが来るだろう。


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