第8話
「お前ら明日のオフ何する?」
「まだ考え中。」
「新しいテニスコート行かね?芝が新しいうちに打ちたい!」
「勘弁しろよお前~。せっかくの休みなのに結局テニスかよ。」
「俺らゲーセン行くけどお前も行く?」
「カラオケも行きてぇな。あとラーメン食べに行かね?」
「うちでゲームしようよ。時間気にせずできるじゃん。」
月に1度あればいい方である貴重なオフの日の前日は、その日をどう過ごすかで部室が盛り上がる。
「海吏は何すんの?」
「家でゲーム。」
「うわつまんねっ」
「ほっとけ。」
俺はこいつらみたいにゲーセンだのカラオケだのに行く気力もなく、ひたすら家でダラダラしたい派だ。
こいつらも俺のそんな性質を分かっていて、最初のうちは遊びに誘ってきた奴も、最近では一切誘ってこなくなった。
「海吏ぃ!お前は練習しとけよ!ゆっくり休んでる場合じゃねぇだろ!」
俺らの会話を聞いていた瑠千亜が、偉そうに言ってきた。
(うるさいな…耳キンキンするんだよこいつの声)
瑠千亜の言葉に同学年の奴らは笑っている。
俺も愛想笑いをしながら、腹の中では瑠千亜に対して悪態をつきまくっていた。
「瑠千亜さんたちは明日どうするんですか?」
同学年の一人が聞く。
瑠千亜の予定に興味もない俺は、そのまま着替えていた。
「俺らは明日こいつらと合コン行くけど?」
「「「「合コン!?!?」」」」
一斉に驚いた声を出す同学年の奴らと一緒に、俺も思わず瑠千亜の方を見た。
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