第7話

「なあ海吏。俺の彼女、お前から見ても可愛いと思う?」


授業の合間の休み時間。


隣の席に座るクラスメイトが話しかけてきた。



「さあ……可愛いんじゃね?」


「なんだよそれ。テキトーだなぁ。」


「めっちゃ可愛いとか言ったらそれはそれできしょいだろ。」


「そうだけどさぁ。」


「お前の彼女、俺の彼女と仲いいよな。」


「あれ、そうだっけ?」


「そーだよ。イ○スタのストーリーにあげてたよ。」



(彼女?イ○スタ?ストーリー?どーでもいいわ……)



隣の奴の話に他の奴らも加わり、俺の周りが一気に賑やかになった。


俺はそいつらの会話についていけるわけもなく、貴重な休み時間を机に突っ伏して束の間の休息に使った。



イ○スタはリア充とか陽キャがやるやつだし、彼女なんて作る余裕もあるわけが無い。


勉強して部活ガチってその上プライベートまで充実させるなんて、この学校の中でもカースト上位にしか不可能だろう。


俺はその日その日をいかに少ない回数で怒られずに過ごせるかを考えるのに必死だというのに。



何か趣味でもあればまだ救いがあったんだろう。



でも俺には夢中になれる趣味もない。


ただひたすらつまらない日常を送っていくことしか、できなかったのだ。

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