第4話

「おい!海吏!!」


「……やっべ……」



遠くから俺を呼ぶ声に反応し、目を遣った。


そこにいたのは俺が一番嫌いな先輩。


「テメェ……昼練サボってんじゃねぇよ!!」


「クッソ……!」


「あっ!おい海吏!!」



嫌いな先輩が俺をめがけて走ってきたので、俺は反射的に目の前の佐伯先生を押しのけて逃げた。



(あいつに捕まると長いんだよな……)



昼飯を食べ損ねて腹ぺこなことも忘れて、俺はとりあえず2年棟のトイレの個室に立てこもった。

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