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この作品、カクヨムコン10受賞すると思います。いや、してほしいです。応募開始日早々になにを言ってるのか、わからないと思いますが、過去3年出場してる私から見ても、凄まじい作品だったと感じています。
とにかく今作は設定が面白く、紹介文の時点でこころを掴まれる感覚がありました。3人版すれ違いコント(といっても中身は現代ドラマ)を見ているようで、緻密に作られたトライアングルの渦にのまれていくような、読書体験でした。
健人に失恋した自分が大切な真子、咲への恋心が異常に膨らむ健人。なにか守りたいものができたとき、人は誰かの敵になってしまう。私はそれが優しさの本質な気もしていて、ただ使い方を誤ると、凶器にもなってしまうのだと、この小説から学びました。みんなが他人を傷つけなくて済むほどに、報われて、満たされていたらいいのに、と終始感じました。
また個人的に雨虹さんの強みは、観察力にあると思っています。日常に溢れている奇跡を、見逃さない力がある作家だと。今作でも放送室の機械の匂いや、授業が自習になった時の会話、SNS特有の閉塞感等、繊細な視点が注がれた描写があり、それがこの作品の輪郭を鮮明にしているように思います。
三角形の最後を救うのが「咲は悪くないよ」という、偽りの励ましの言葉で、捉えようのない不思議な気持ちになりました。心は人に見えなくて、だからこそ言葉に重みが生まれる。物を書いている私としても、考えさせられるラストでした。
事前に伝えられてた通り、新たな一面を見せつつ、雨虹さんの良い部分は殺さない良作だったと思います。ありがとうございました。
作者からの返信
秋冬さんこんにちは。読んでくださりありがとうございました。「いつかの日のスペースで『滅多に星を付けない』と話していた秋冬さんから星が3つも!!??」とはしゃいでおりました。応援コメントをくださったことがとても嬉しくて何度も何度も読み返しています。
今年のカクヨムコンは本気で受賞を狙っているので、秋冬さんからいただいた言葉に嬉しさを感じています。
今回の作品はいつもの書き方と異なり、しっかりとプロットを作った上で執筆しています。ちゃんと3人版すれ違いコントになっていたようで良かったです。
観察力を強みと言ってくださりありがとうございます。私は小5、6のときに放送委員でした。放送室の匂いが印象に残っているので描写として登場させてみました。
私の良い部分は生きたまま新たな一面をお見せできてよかったです。
私は感想や応援コメントの返信がとても下手なので、嬉しさを上手く伝えられているか不安なのですが、本当に嬉しかったです。ありがとうございました!!!いつか、バニララテでも飲みながらゆっくりお話しましょう。
語り手が自分のドロドロとした心を認めながら話が展開するというところがまず斬新でした。
咲ちゃんの独白で終わるラストがいいですね。柔らかな気持ちで読み終える事ができました。
作者からの返信
はじめまして。応援コメントありがとうございます。
褒めてくださりとても嬉しいです!