第20話 模擬戦⑧
スー-。ハー-。
わたしは深呼吸すると、前方のアイリスのライオットを見た。
そして。
ギュゥーーーン!!
ライオットを、一気に前進させた。
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「ケッ!!馬鹿の一つ覚えかよ!!そんなの、もう通用するかよ!!」
ギュゥーーン!!
ズキューーン!!
そう言うとアイリスは、ライオットを後退させながら、ロングライフルを瑞穂に発射させた。
後退させながら、攻撃する。そうすればいいだけだ。
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「そう来るよね。だったら」
そう言うとわたしは、ライオットを横へ横へと移動させた。
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「当てられないようにってか?舐めんな!!」
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『…というようなこと思ってるでしょうね。生憎だけど、それがホントの狙いじゃない』
さて、始めるか。
ギュゥーーーン!!
わたしは、ライオットを右横に、一気に移動させた。
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「右から攻めるってか?」
そう言うとアイリスは、ライオットのロングライフルを、瑞穂のライオットに向けた。
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「悪いけど、あんたの間合いは大体見抜いた。ロングライフルを使ってるからって、あんた自身の間合いを見抜ければ、そんなに問題じゃない」
ズキューーン!!
ドォン!!
ギュゥーーン!!
わたしは、アイリスのライオットの攻撃を避けると、そこから左側に移動した。
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「ちょこまかと!!」
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『ロングライフルの射程がどれくらいだろうと、あんた自身の間合いが決まってたら、そこが隙になる』
ズキューーン!!
ドォン!!
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「何か動き変わりましたね。あのライオット」
運転席に座る男は、瑞穂のライオットを見てそう言った。
「ああ。さっきまでとは動きが違う」
運転席の隣に座る男がそう言うと。
「何か、追い詰めてるって感じがする。アイリスの方が有利に見えるのに」
後部座席にいる少女は、瑞穂のライオットを見てそう言った。見た感じでは、アイリスが有利だ。なのにどうして。
「……………………」
レイナは、静かに瑞穂のライオットを見続けていた。
こんな時にも彼女の姿が、時折、目に映ってしまう。戦いの様子より、レイナの目には彼女の姿が目に映ってしまっている。あの少女の姿が。
『…早く終わってくれないかな…。…勝敗なんてどうでもいいから…』
唇を指で触りながら、レイナはそう思った。
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「あんたの間合いが狂えば、ロングライフルの命中率も下がる。そうなったら、ロングライフルの射程なんか関係なくなる!!」
ズキューーン!!
ドォン!!
わたしは、アイリスからの攻撃を避けると。
ドドドドッ!!
ライオットのライフルを発射させた。
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「当たるかよ!!射程外だろうが!!」
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「あんたを狙ったわけじゃないわよ」
わたしのライオットのライフルが放った場所は。
ドォン!!
アイリスのライオットの足元の周辺に、土煙が上がった。わたしの狙った場所はそこだ。
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「こんなもん、目眩ましになるかっての!!足止めにもなんねぇよ!!」
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『…ということを、あいつは思ってる。確かに目眩ましにも足止めにもならない』
だけど。
ギュゥーーン。
わたしは、ライオットを、ライフルの射程内まで接近させると。
ドドドドッ!!
アイリスのライオットの脚部を攻撃した。正確には、スラスター周辺の部分をだ。
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「なっ!!」
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「意外だった?そんなところ狙ってくるなんて。もっとも、さっきの土煙で、そこが見えなくなって、防ぐのとか無理だったでしょうけど」
わたしは、アイリスのライオットの脚部に、ライフルが命中したのを見てそう言った。わたしはそれが狙いで、地面を攻撃して、土煙を起こしたんだから。
『わたしの動きは、あんたの間合いを狂わせるため。ロングライフルの射程を意識して、自分自身の間合いは意識してなかったみたいだしね。だからそういう隙が作れた』
だけど。
「ここからが本番よ。言ったでしょう?徹底的にやって、さっさと終わらせるってね!!」
グッ!!
わたしは、コントロールスティックを握りしめて、アイリスのライオットに向かってそう言った。
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