第9話 メテオ・ビースト②

キィーン。


輸送機が、基地に不時着した。

わたしは、シートから立つと。

「それでは」

わたしはパイロットに一礼すると、そのまま出入り口まで歩き出した。


そして出入り口の方に着くと、ドアが開き、階段が下りてきた。

わたしは、そのまま階段を下りて、地面に足を着けた。


「ここがメテオ・ビーストの基地。わたしの新しい配属先か」

周囲を見渡しながらそう言うと、わたしは、ゆっくりと歩き出した。

『見た目的には、どこの基地とも同じ感じかな。だけどHWMの格納庫が、他の所より多いな』

周囲を見ながら、わたしはそう思った。

そして。

「あれ、陸上戦艦だ。巡洋艦クラス。こんなの使ってるんだ」

わたしは、目に映った陸上戦艦を見てそう言った。


この時代において、主に活躍するのは陸上戦艦。HWMを搭載、戦線に移動するのに使われる。もちろん艦隊戦も行えるように作られている。

あの時の戦闘の際は、HMW専用の輸送車両のコンテナに、HWMを搭載、出撃した。

あの時の戦闘は、陸上戦艦が出撃する必要のないだった。そういう戦闘の際には、そうやってHMWは戦線に運ばれる。

『…だけどこんな陸上戦艦見たことないんだけど…。巡洋艦クラスなのは分かるけど。こんな型の陸上戦艦見たことない…』

どの部隊の巡洋艦クラスも、基本的にどこも同じ。色が違ったりとか、作戦によって、多少装備を変えたりするとかあるけど、型はみんな同じだ。小型の陸上戦艦なら、部隊によって、違ったりするけど。

『でもこの陸上戦艦は、見た目も色も装備も全然違う。どういうこと?遊撃部隊だからって、優遇されてるわけじゃないでもないだろうし』

大体、何でも屋なんて呼ばれてるような部隊が、そんな優遇受けるなんて思えないし。どういうことだろ?


すると。


「あの。上坂瑞穂准尉でありますか?」

一人の兵士が、わたしに声をかけてきた。

「はい。そうです」

「お迎えに上がりました」

そう言って兵士は、わたしに敬礼してきた。そして。

「准尉のライオットも、輸送機から搬送されております。ようこそ我が部隊へ」

兵士は、わたしにそう言ってきた。輸送機の方を見ると、わたしのライオットが、輸送機から出され、格納庫に搬送されて行くのが見えた。

「いえ、こちらこそ」

そう言って、わたしが敬礼すると。

「司令官がお待ちになっております。司令室までご案内します」

兵士が、わたしにそう言ってきた。

「はい。だけど先に荷物を置いていきたいんで。宿舎の方から先に…」

「…いえ、それは止めておいた方がよろしいかと…」

兵士が、心配そうな顔でそう言ってきた。どういうこと?

「司令官も、准尉が到着したら、そのまま司令室に連れてくるようにと仰っておりましたので。そのままで結構です」

「…そうですか。ではご案内をお願いいたします」

「分かりました」

そう言うと兵士は、わたしに敬礼した。


そしてわたしは、兵士に案内されるまま、司令室へと向かったのだった。















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