第40話『狂気と正義、レオとシリアスの戦い』
モルデールの町へとつづく森を子供のホブゴブリンを
レオは、騎乗で弓を放ちながら、森の中を先頭切ってホブゴブリンの子供を追い立てる。
「ゴブリン、どこ行った。逃がさないぞ!」
レオは、
息子の狂気を見守るしかできない母・マリーナと祖父・オルカンは、
オルカンは、マリーナに並びかけ肩に手を置いた。
「マリーナ、心配するなレオもいつか自分の
レオは、ホブゴブリンの子供を追う目がギラりと輝いている。
ホブゴブリンの子供は、背中にたすきに回した
町に近づくにつれて道は
ホブゴブリンの子供は足が大きなカギ
視界の見通しが悪くなると、
地面がぬかるみ、水たまりができ始めた。
アランの『白鷹騎士団』は、川で転んだ団員が、レオによって
気が付けばレオが一人でホブゴブリンの子供を追いかけていた。
ズルリ!
ホブゴブリンの子供がモルデールの町の入り口で
(フフフ……仕留めてやる!)
レオは、片目を閉じてホブゴブリンの子供に
グサりッ!
矢はホブゴブリンの子供の
ホブゴブリンの子供は、立ち上がって、モルデールの中央広場へ向かって駆け出す。
「仕留め損ねたか、だが、まだまだ!」
レオは、ホブゴブリンの子供をいたぶるのを楽しむふしすらある。
ホブゴブリンの子供を追うレオは、『白鷹騎士団』を引き連れ真っすぐモルデールの町の中央へ進軍して行く。
町の中央に近づくと、赤地にサソリの
味方の進軍速度を気にも留めずどんどん進むレオに、アレンが注意を
「殿下、敵の
レオは、忠臣の進言を聞き入れるどころか、返ってアランに矢を向け、「先にお前が死にたいか!」と矢を放った。
コツンッ!
レオの放った矢はアランを肩口を守るプレートアーマーに弾き返された。
「ふん、お前たちは、
そう言うとレオは、再び、ホブゴブリンの子供を追いかけ始めた。
モルデールの町、ハルデン屋敷から始まる
「若様、面白い者が先頭切ってこちらに向かっておりますぞ」
と、望遠鏡をシリアスにわたす。
シリアスは、望遠鏡を覗くと、ホブゴブリンの子供を一人で追いかけるレオが映る。
「困った子供だな……、しかし、これは
「わかりました若様!」
シリアスとヴァルダーは、
主から矢を向けられても動じない忠義一筋アレン・ホワイトホークが、独走するレオを『白鷹騎士団』の行軍指揮を、
レオが、狂気の目で、行き止まりに逃げ道を閉ざされたホブゴブリンの子供に狙いを定めて矢を放つ。
カキンッ!
そこに、シリアスとヴァルダーが
レオは、
「これは、これは、元・ストロンガー家の兄上ではござりませんか」
シリアスは、レオの挑発には乗らず冷静に、「久しぶりだなレオ、
レオは、
と、そこへアランが追いついて、レオの前に盾になるように立ち、「殿下、
レオは、アランが追いついたのを幸いに、新たなイタズラ心が
「そういえば、アラン。お前の剣術の師はガーロン・ヴァルダーだったな。これは、面白いことを思いついたシリアス・ハルデン公、ここは一つ賭けを致しませぬか?」
シリアスはワザとハルデン家に婿養子に入った名前を使ったレオに怒りを表すでもなく。冷静に問い返した。
「どのような賭けだ?」
「ハルデン公の
アランが、驚いた表情で、レオを
「殿下、そのような賭けはせずとも、兵数は我らが有利。後続を待てば、結果は万全!」
シュッ!
レオは、アランの首筋に剣を抜いて、「うるさい! お前はガーロンに勝つ自信がないからそんなことを言うのか! 戦う気がないならば、ここで切り捨てる!」
まるで、
すると、ヴァルダーは、待ってましたと、槍を
アランは、レオの両肩に手を置いて、「殿下、私がもし負けるようなことがあれば、スグに後続のマリーナ様とオルカン様の元へ逃げて下され」と真剣な眼差しで
レオは、「ふんっ! 勝てばいいのだ」とそっぽを向いて、まだ、この場から離れず命の
つづく
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