第22話『血の誓い、ダークスの復讐』
カリスタンは、ガイルズの
勇気を振り絞って駆けつけたダークスだが、時すでに遅し、ガイルズの
カリスタンは、ダークスに切れ長の一重を面白ことを思いついたように
「そうだ、お前の
ダークスは、目を見開いて、兄に問うた。
「兄上にサハラは関係ありますまい」
カリスタンは、「フッ!」と
「ダークス、これからお前の王は、俺だ。その
「兄上! お待ちを‼」
チャリン!
カリスタンは、剣をダークスの喉元に突き立て、冷たく言った。
「弱き者は、強き者に奪われるのみ! 文句があるなら俺と戦え! わっはっは~!」
と、カリスタンはサハラの部屋の
サハラの部屋からは、女たちの
「おのれ、カリスタン!」
ダークスは、サハラに
紅い
ヴァルダーは、
シリアスは、胸が詰まる思いでヴァルダーの話を聞き終えるとポツリと呟いた。
「つまり、俺は、カリスタンの落とし子なのだな」
ヴァルダーは、焚火に小枝をくべながら、ゆっくりと首を横に振る。
「その答えは、ワシにはわかりません。答えはダークス
シリアスは、答えに
ヴァルダーは、睨み返して、「ダークス卿を止められるのは、強き者のみ! アム様をどうされます‼ 奪うか、守るか、二つに一つ、ご判断を!」と熱い眼差しでシリアスを見つめる。
シリアスは、
「私は、母のような思いを、
「それでは!」
シリアスは、近くの団員に命じた。
「教会にいるモルデール騎士団長のマックスに伝えよ。ここに、ヴァルガーデンより兵が攻めてくる。
ハルデン屋敷の広間に、マックスが駆け込んでくる。
主の席に座るアムと、後ろに控えるアリステロスの元へ、息せき切って戻って来たマックスに、アムが
「ポジラー様は、
マックスは、首を振って、「それどころじゃございません。シリアス様からの
アリステロスは驚いて、「アム様が勝手にシリアス様との
マックスは、息を整え、「そうではございません。シリアス様は、こちらの味方にございます」
アリステロスは、目を見開いて、「ならば、アム様とシリアス様の婚姻は始めから、我らを
アリステロスは、アムに
「アム様、私が甘うございました。アム様と、シリアス様が婚姻なされば、モルデールの平和は保たれると、浅はかな算段をいたしました。これは、私の過ち、なんと
アムは、立ち上がって、指揮を飛ばすように手を伸ばして言った。
「おもしろい、ダークス卿。初めから信用は出来ない男だと思っていたけど、やっぱり、本性を現したわね。でも、シリアスが私に味方するとは意外だわ。でも、今はヴァルガーデンの兵を、父上と母上を事故に見せかけ亡き者にしたタンクホルムの峠の防備を固めるのが先ね。マックスは、モルデール騎士団を率いて、すぐに、峠へ向かって!」
アリステロスは、
「アム様、私はどうすれば?」
「あなたはタンクホルムの守り人でしょう。峠の戦いにあなたの魔法は欠かせない。すぐ、あなたも急行して!」
アリステロスは、黙って頷いた。
アムは、悔しそうな顔をして、「ここにポジラー様がいれば、ホグゴブリンの協力も得られただろうに……、まったく、あの方はアリステロスが言ったように逃げ足が速い!」
つづく
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