第23話『モブならぬ軍師ポジラー』
その頃、モルデールから逃げ出した景男は、タンクホルム山の
渓谷シャドウリーフの
景男が、この谷間のラストウッド村の
段々の岩山をマルサネス川の流れが落ちてくる。水は岩にぶつかり、あちらもこちらも
「絶景かな、絶景かな……」
と、景男が※滝に見とれていると、シュッ! 背後から
「
景男は、漆黒の騎士の剣を人差し指と親指でそーっと
騎士は、「うん?!」と、剣を景男の首筋にまた当てて問うた。
景男は、絵文字のコピペしたようなお
「やあ、この町は初めてかい、この滝はとってもきれいだよ」
と、繰り返した。
騎士は、「なんだ、モブキャラか……」と剣を納めた。
しかし、騎士はいきなり抜刀し、景男を
景男は、ヒョイッと身をかわす。
騎士は、眉をひそめて、「おかしいな、モブキャラならば私が斬りつけても逃げないはずなのになあ」
景男は、顔面を引きつらせながら、「やあ、この町は初めてかい、この滝はとってもきれいだよ」
騎士は、景男を睨みつけて、横切りに景男の
「
と、ブラックは、三の
すると、景男は、
「お許しください、ブラック様、私は、実はモブキャラに身をやつした、元・
「そうか、お前は、元・海鮮問屋のご隠居なのか!
と、
景男は、ブラックを落ち着かせようと、「ちょっと、待って下さいブラック
「シリアス様の密使だと!」
ブラックもヴァルガーデンの
ブラックは、景男に文を出せとでも言うのか、右手を差しだす。
景男は、思わず自分の右手を差し出して、がっちりと
「平和が一番ですね」
景男は、
対して、ブラックは真顔で、一体何が起こっているのか頭の中で「・・・?」と一瞬、
「はっ!」
ブラックは、我に返って、景男の手を振りほどき、「俺とお前が握手してどうする! 文をよこせ‼」と、再び右手を伸ばした。
景男は、また、がっちりと右手で握手をし、左手で、ブラックの右手を包み込み、口角をしっかり開いて
ブラックの頭の中で、また、「・・・? ・・・!」一瞬の
「だ・か・ら! シリアス様からの密使と言うからには、文を預かっているだろう。それを渡せ!」
景男は、「・・・? ・・・!」シリアスの密使だと言うのは口から出まかせ、そんな物持っているはずがない。その時、景男は閃いた。
「ブラック閣下、シリアス様は、ブラック閣下以外の誰にも知られてはいけないと
ブラックは、妙に
と、ブラックは、景男に耳を寄せた。
景男は、本当は密使ではない。今、ブラックの口から、モルデールへ進軍することを初めて聞いて、町が焼かれてアムが泣き叫ぶ顔が浮かんだ。
景男は、とりあえずブラックの
「いや~ん!」
ブラックは、耳が弱いのだろう。思わず
景男は、ブラックのかわいい声に、「ぷぷぷ……」と笑いが
ブラックは、再び、剣を抜いて、景男の
「俺は、昔から
景男は、「まあまあ……」と、両手を向けて、ブラックを落ち着かせて、「今のもシリアス様が、私が本物の使いであることを
ブラックは、
景男は、口から出まかせヒソヒソとブラックの耳にあることないこと吹き込んだ。
すると、ブラックの目の色が変わった。
「そうか、シリアス様は、モルデールを
ブラックは、
「悪くない話だ。よし、俺と『
つづく
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