第二部②ポジラーの計画
第24話『アイアンウルフ峠の防衛線』
アイアンウルフ峠の関所に、アムと騎士団長マックスと『モルデール騎士団』・シリアスの『幻影騎士団』計60人ほどが集い。景男の計画を実行に移した。
モルデールの町では、アリステロスが住民を指揮し、各家庭で余ったツ
モルデール騎士団は、アイアンウルフ峠に
国境付近、渓谷シャドウリーフの出口には、ヴァルダー率いる『幻影騎士団』が
「ほれ、ポジラー様、さっさと働け! そんなへっぴり腰じゃ明日になっても仕事が終われねぇーだ」
景男とサンチョも穴掘りに駆り出されている。
サンチョは、自分と景男が
景男が
サンチョは、首を横に振って、「やんだーあ。オラ、兄ちゃんにしっかり穴掘りをしろと命じられただ。オラはおっとりだけんど、仕事に
「あ~れ~、あれれれ~」
景男が、サンチョの
「マックス!」
ビリッ!
マックスに
「はい、アム様、何でございましょうか」
と、背筋を正す。
「マックス、どうしてポジラー様は、サンチョと手錠で繋がれているの?」
「アレは、サンチョの
ビリリッ!
「マックス、私がここにいるのに、手錠はどうして外さないのかを聞いているの?」
マックスは、困ったように頭を掻いて、「サンチョは生真面目なやつなのですが、いくぶんおっとりが過ぎるところがありまして、カギを……」と言葉をにごす。
「カギはどうしたの?」
マックスは困った顔をして、
「私が、サンチョに、ポジラー様を見つけたら二度と離れるな! と命じたばっかりにおっとり者が素直に考えた末、カギは谷底に投げ捨てたようにございます」
ビリリッ! ビリリッ!
「マックス、合カギはないの?」
マックスは、頭を掻く。
「アリステロス様が、こちらへ来て、キーリスの魔法で
ビリリリリリッ!
「マックス! いいからサンチョに言ってポジラー様とこちらに来るように命じなさい!」
アムに命じられて仕方なく、真面目に穴を掘るサンチョの元へマックスが向かった。
マックスが去ると、アムにシリアスが近づいて、「アム姫、姫を置いて逃げ出すような男、ポジラーのどこがいいのです? あんな無責任な男より、
アムは、シリアスに顔を近づけて、「そういうところ、べー!」と
「サンチョ、手を止めてついてこい!」
マックスは、峠に降りて行って、穴を掘るサンチョに騎士団長として命じた。
サンチョは、当然のごとく、首を横に振り、「やんだ、兄ちゃんは、さっき、穴を掘るように命じただ。まだ、『モルデール騎士団』の仲間も協力して穴を掘ってるだ一人だけ手を止めることはオラにはできねぇーだ」
おっとりサンチョは、兄の言うことをよく聞くが、一度命じた命令は
「よし、みんな
サンチョは、
渓谷シャドウリーフ、ラストウッド村のブラックの
すると、使いツバメが東ヴァルガーデンから飛んできた。
ブラックの
文を一目見たブラックは、目を見開いて、文を握りつぶした。
「私は、あの
つづく
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