第25話『作戦会議:ポジラーの電撃作戦!』
「相性の悪い『漆黒騎士団』とどう戦うか、早く決めねば、アイアンウルフ峠の関所に、こちらが防備を整えるよりも早く到着してしまいます」
モルデールの屋敷で、騎士団長のマックスが叫んだ。
向かいに座る『幻影騎士団』団長のヴァルダーが、若いマックスを鼻であざ笑うように、「『モルガーデン騎士団』の騎士団長は、このような
「ふんっ! 他のヴァルガーデン騎士団が束になってかかってこようとも、このヴァルダーの前では物の数ではないわ」
と、ヴァルダーが
アリステロスは、
「残る3つの騎士団はヴァルダー殿の武勇で跳ね返しても、ダークス卿が
すると、ヴァルダーは、腕を組んで横を向いた。
「トリスタンには、まだ、負けんが、確かにあやつはちと
シリアスが、切れ長の一重をアムに向け、「アリステロスは殿の申す通り、『漆黒騎士団』を跳ね返しても、大国ヴァルガーデンはさらなる
「策かおもしろい。シリアス様、なにか妙案をお持ちか?」とアリステロスが
すると、シリアスは、視線を
アリステロスは眉をしかめて、「妙案もないのに策を提案なされたのか、それならば、ここを逃げ出したポジラーと変わらぬではありませぬか」
「なんだと!」
ヴァルダーが、主を
「はっ! ポジラー様なら……」
黙って聞いていたアムが立ち上がった。
「マックス、ポジラー様の行く
マックスは、「はっ! 後を追わせたサンチョの
「ポジラー様は、どこにおるのだ?」
「アイアンウルフ峠の関所にて、サンチョがおそらく引き止めておると思われます」
「よし、そこなら好都合だ。アリステロス、すぐに魔法で、アイアンウルフ峠の関所にいるポジラー様とこちらをつなぐのじゃ」
アムに命じられたアリステロスはローブから小枝を取り出して、空間に円を描き「ミスティック・ウインドー」と魔法を
すると、空間に、テレビ画面のような景男とサンチョが映された。
マックスが、「サンチョ! サンチョ、こっちだ聞こえるか?」と声をかけた。
アイアンウルフ峠の関所にいる手錠で
おっとりサンチョは、「ミスティック・ウインドー」の
マックスが慌てて、「サンチョ、これはアリステロス様の魔法だ。細かい説明は今度してやるから、ポジラー様に変われ」
サンチョは、「チャリン!」と腕の
「ポジラー様、兄ちゃんたちが用があるって言ってるだ。ほれ、早く!」
サンチョが腕を強く引くと、景男がオデコの生え際を
「ポジラー様! ご無事でしたか?」
アムが心配の声をあげる。
画面の景男は、「よっ!」
これにはハルデン屋敷にいるアム以外の者が
景男を心配するアムの様子を見たシリアスが「チッ!」と横を向く。
それを見たヴァルダーが、「ゴホンッ!」とアリステロスに向かって
アリステロスは景男を見定めて、「ポジラー、ハルデン屋敷を勝手に抜け出しましたな!」と小言を言い
アムが、腕を伸ばして、アリステロスの言葉を止めて、「今は、そのようなことを言ってる場合じゃありません。ポジラー様、私たちはシリアス様の
アムから逃げた手前、景男は「知恵がない」とは言い出せない。その場にドカンと
……5分。
……10分。
……15分。
アムを始め屋敷の者が見守る中、景男は
すると、サンチョが、手錠ごと腕を引っ張って、「おい、ポジラー様、いつまで考えるフリをしているだ。アム様が頭を下げて頼んでいるだ。ちゃんと考えねーか!」
と、マックスがいつもサンチョにするように、景男の
ピヨピヨ……ピッ! ピッ!
景男の頭の上にヒヨコが飛んでグルグル回っている。
「はっ! 閃いた! アイアンウルフ峠の関所の入り口から、
アムは、花が開いたような笑顔をして、「さすが、ポジラー様、
横を向いて腕組みしたシリアスが、「
景男は、
シリアスは、景男が知っているのに、意外な表情をみせ、「ポジラー、『漆黒騎士団』の団長のブラックを知っておるのか?」
景男は、深く頷いた。
「5時間前ぐらいに、そのブラックさんには上手いこと言って、こちらからの連絡を待ってもらっている」
シリアスは、眉をハの字にして尋ねた。
「あの
景男は、胸の前で、両手の人差指を着けたり、離したりしながら言いにくそうに、「う~ん、それは、みんながこちらに集まってから話すよ。とりあえず、ブラックさんはこちらの
アムは
シリアスは、アムの心をまた自分から景男に奪われたようで
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます