第21話『アムの決断』
父王・ダークスからのモルデール
「父上は、
ヴァルダーは、ダークス
「ダークス卿にも、思うところがあるのでしょうなあ……」
と、言葉をにごした。
シリアスは、ヴァルダーに
ヴァルダーは、どう答えたものか困って、
シリアスは、厳しい口調でヴァルダーに命じた。
「ヴァルダー、私の忠実な
ヴァルダーは、大きなため息をついた。そして、ポツリポツリと語り始めた。
「若様、この話を聞いても、決して自分を見失わないと約束して下さりますな」
シリアスは、
「ああ、どんな話を聞いても神に
ヴァルダーは、記憶をたどりながら重い口を開いた。
「これは、シリアス様が生まれる前、ヴァルガーデンが統一される前の話にございます……」
――35年前。
「かつて、ヴァルガーデンは玉座を争う、ダークス王の二人の兄が国を二分して対立しておりました。
ヴァルガーデン城の広間で、ガイルズとカリスタンが、互いに
「ガイルズ、カリスタンの兄上、協力して国を支えるヴァルガーデンの王子が
ガイルズ・カリスタン「うるさい、
ガイルズが挑戦的に、「カリスタン、お前は、
カリスタンはあざ笑うように返答した。
「私は、内陸部の広大な大平原しか持たないヴァルガーデンを
ガイルズが
ガイルズ・カリスタンは互いに相手に薄ら笑いを浮かべて言った。
「我らはお互い、目指す道が違うようだ。お前か俺か、この決闘で最後まで生き残った方がヴァルガーデンの真の王だ!」
ガイルズとカリスタンは同時に飛び
「
ガイルズ・カリスタン「ダークスお前は、
「行くぞ!」
カリスタンが、ガイルズに斬りかかる。
ガイルズは
カリスタンは、ひらり跳び
カリスタンは、剣を胸の前で
「ウォータープール!」
カリスタンの呪文で、ヴァルガーデン城の広間は、膝ほどの水面になった。
「重武装の兄上は、これで、足を取られて動けまい」
ガイルズは、悔しそうに眉を吊り上げて、「男同士の決闘に
カリスタンはさも当然といった表情で「生きるか死ぬかの決闘に
と、カリスタンはさらに、呪文を唱える。
「ソード・レイン!」
カリスタンの胸に掲げる剣が雨となって、ガイルズに降り注ぐ。
ガイルズは、「こんな、
「はっはっは~、カリスタン、卑怯者のお前の魔法など、私には効かぬわ、わっはっは!」
ブスリ!
ガイルズの背後から、短刀で布の
ガイルズは、目を剥いて、ブラックの首を片手で掴み上げ、床に叩きつける。
グホッ!
ガイルズは、血を吐いて、そのまま前のめりに倒れた。
床に叩きつけられたブラックは、牛刀を両手で握ったまま震えている。
そこへ、カリスタンが歩み寄って、ブラックの肩に手を置き、「
元へ歩み寄って来た。
そして、カリスタンは、ガイルズを卑怯な手段で殺した次兄を厳しい目で睨みつける。
カリスタンは、「弱いお前には何も残らん!」と言って、ツカツカとヴァルガーデン城の
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