第34話『激突! アイアンウルフ峠の赤と青との攻防』
5日後、
「ポジラー様、あの影はなんだべか?」
見張り台で
景男は、眠い目をこすって、
レオンは峠に差し掛かると、クンクンと鼻を利かせた。
「セリーヌ、ちょっと待て、この先は臭いが危ない気がする」
レオンは、
レオンは、珍しい赤毛の狼を付き従えている。
「ホムラ! 道を示せ‼」
レオンは赤い糸をホムラの首に巻きつけて命じた。慎重に牙をむき鼻を利かせて、景男たちが仕掛けた罠を
「あれは、ヴァルガーデンの
見張り台のサンチョが、のんびりした声で言った。
「あんでまぁー、ポジラー様、あの赤い狼が歩いた道は、地雷を全部、
と、そこに、呼び起されたでアムとマックスが表へ出てきた。
アムは、まだ眠いのか目をこすりながら、「ポジラー様、どうかしましたか?」
景男は、ホムラが地雷を躱し来る様子を指さして言った。
「罠がすべて
アムはすぐさま頷いて、「マックス、すぐに!」
「ハッ! アム様‼」
と、マックスは、見張り台を降りて、地雷原の出口に向かった。
マックスが地雷原の入り口に立ふさがり、牙を
地雷原の向こうのセリーヌが、背中に背負った弓を取って、「あの男、中々の使い手ね。よーし!」
セリーヌは、背中に背負った筒から矢を引き抜くと、弓に
ヒュンッ!
カキンッ!
セリーヌの放った矢を、マックスは、剣で弾き飛ばした。
見張り台から見ていたサンチョは、マックスを心配して、「
「サンチョ、来るな! ここは関所に引くしかない!」
と、マックスは、次の矢を
セリーヌは、レオンに目を合わせ、「レオン、厄介な敵は、関所に引っ込めたわよ。スグに『赤狼騎士団』を進めて、敵が出てきたら私の弓で
レオンは頷いて、「ありがとうハニー!」と投げキッスをセリーヌへ送った。
セリーヌは、
レオンは、真剣な目をしてセリーヌを見つめ、口角をあげて呟いた。
「案外、オレはセリーヌには本気だよ。一度、真剣に考えてくれよ」
シュパン!
セリーヌの放った矢がレオンの
「ほほう、レオン、
レオンは、頬の傷を指でさすって血を
セリーヌは呆れたように、「まったく、6年も私に断られているのにお前は、まったく、
レオンは、
セリーヌは、おもしろい物でも見るように、レオンの告白を受けるでも断るでもなく、「考えておく」と言葉を
レッドウルフ峠の関所の見張り台に集まったモルデールの
マックスは、アムに頭を下げて、「アム様、申し訳ございません。敵には
サンチョが、嬉しそうに、「
景男は、押し出されて、準備していた罠を無力化され突破されつつある現状に、今すぐにでも対応を
アムは、景男が何かこの
(……困ったな)
景男は、アムの電流を利用した地雷の
「アムちゃん、ごめんだけど。策はもうない」
景男は、正直に言った。
アムは、ビリッ!
マックスは、剣の柄に手をかける。
サンチョは、握り拳の音を鳴らす。
(あはっ、策がないのは”無し”なのね……、異世界って甘くない……)
景男は、
……1分。ビリビリッ!
……2分。スーッ!
……3分!ガツンッ!
サンチョの
「赤髪がそこまできてるだ。何をのんびり
”!”
「閃いた!」
景男は、現実世界で、ここでも大好きなSFアニメの主人公ユン・リーウェンに成り切って答えた。
「ここは、少し、こちらも損害が出るかもしれないけど、地雷原を辿ってくる間は、敵は
すると、サンチョが、あっけらかんと、「う~ん、ポジラー様の作戦は卑怯だけんど。モルデールを守るためだ不本意だけんど。仕方あるめぇーオラ協力するだ」
サンチョの言葉につられて、アムもマックスも目を見合わせ、「よし、その作戦で参ろう!」と頷いた。
つづく
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