第三部①大国ヴァルガーデンとの対立
第30話『侵略の序曲ダークスの野望』
ヴァルガーデン王宮を使いツバメが飛来する。
ヴァルガーデン王宮は、かつては
王宮の西には、大陸のありとあらゆる植物が植えられ管理されていると言われる
ヴァルガーデン王宮は、要塞であり、王と民衆を統治するための居城である。
広い王座の間に、玉座で膝を組んで、どっしりと深く腰掛けて座る白髪のダークス卿が、3隊の軍団長を集めている。
ダークス卿は、目の下に落ちくぼんだ黒い
ダークスから一段下がったところに、仮の玉座に
二人の玉座の左前には、
トリスタンは、部下から使いツバメの文を
「ダークス様、ブラックがモルデール侵攻をしくじり捕虜となりました」
と、報告する。
ダークスは、手に持ったワインを一口飲むと、脇の
「ふん、まあ、ブラックには期待しておらなんだ。あやつはどうせ汚れ役をばかりしてのしあがった
と、ダークスは左を見た。
カリファ・アルハイルはダークスより老成している。年の頃は70歳を超えている。浅黒い肌は、色白の多いヴァルガーデンの生れではないのを物語る。身を包むローブは、モルデールのアリステロスに通じる魔法使いの物があるが、真っ黒なローブを着込んでいる。口元はブルドックのように頬が垂れ下がり、口元はへの字に
「
ダークスは、玉座の
アルハイルは、頷き3人の騎士団長の名を順に呼んだ。
「レオン!」
赤髪のレオン・レッドウルフ『
「そなたは、
青髪のセリーヌ・ブルースカイ『
「そなたは、得意の
白髪のアラン・ホワイトホーク『
「そなたは、本来なら、
アルハイルは3人の騎士団長に命令を下すと、ダークス卿を振り返った。
「ダークス卿、3人の騎士団長に直接の命令を」
と、促した。
すると、ダークスは、アルハイルから視線を外して、皇太子のレオを見た。
「レオ、いい機会だ。今後、王家に
と、非情な命令をした。
レオは、素直にダークスを振り返り、「わかりました父上!」と応じた。
王の槍トリスタンが、青ざめた表情で、「恐れながら、ダークス卿。『幻影騎士団』は
ダークスは、すっと、卓に乗るワイングラスを押し出した。
ガシャン!
ワイングラスは、床に
すると、アルハイルが冷静な目でトリスタンに言った。
「トリスタン! 父・ガーロンと戦うことに恐れをなしたか!」と問いただした。
トリスタンは、アルハイルに向かいあい、「いいえ、そのようなことはございません」と静かに返した。
アルハイルは、
と、レオン、セリーヌ、アランを見定めた。
3人は、声を
アルハイルは、ダークスの言葉を代弁するように、レオに
「レオ様、さあ、3人の騎士団長に出陣のご命令を!」
「よし!」とレオは立ち上がって、自分の腰の剣を引き抜いて、天にかざした。
「我がヴァルガーデンの騎士団よ。いざ、出陣だ!」
つづく
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