第29話『領国再建チームポジラー』
モルデールの大通りを、ブラック、バイソン『漆黒騎士団』が
「ヴァルガーデンの卑怯者!」
子供が、石がブラックの頭に当たる。
ブラックは、子供を睨んで文句を言い返そうとするが、マックスに「ブラック殿、子供のすることですから、お
と、
ブラックは、憎まれ口をたたく。
「そなたの
マックスは、冷静に、「ブラック殿の矢が、私の額を
『漆黒騎士団』につづいて、荷車でプレートアーマーや
「あっ、アリステロス様……」
アリステロスは、荷車に布団を
それに、つづいて黒いベールをしたアムと景男と手錠で繋がったサンチョが
――1時間前。
アイアンウルフ峠の関所の詰め所で、MP(マジックポイント)を使い果たして、
アムが、口を開く。
「アリステロスは先ほど見たような大魔法使いですが、あのような大魔法を使うと、一カ月は動けず寝たきりになります。私が甘かったです」
マックスが、アムの
すると、サンチョが兄をかばって、「
引っ張られた景男は、「そうですね。サンチョさんの言うとおりブラックさんが何もかも悪い。アムちゃんも、マックスさんも悪くない!」
サンチョは、景男の言葉に感心して、「さすが、ポジラー様だ。オラにはわからねぇー物事をよくわかってるだ」と、ウンウン頷く。
アムは、落ち着いた声で、景男を見た。
景男は、また何かムチャぶりがあると予見して、サンチョの背中にそそそと半身を隠す。
アムは、景男に近づいて、手を重ねて、「ポジラー様、アリステロスが働けない今、私たちの希望はポジラー様だけ、おそらく『漆黒騎士団』を
アムに見つめられた景男は、そのぽってりとした
未来と景男が手を握り言葉を交わすには、3000円の金銭が発生するビジネスライクだ。しかし、目の前のアムは、潤んだ瞳で
(ムフフ……、異世界生活って案外いいかも♡)
景男は、だらしなく鼻の下をのばした。
ゴリッ!
サンチョが、握り拳を鳴らす音がした。
「ポジラー様、アム様の手をいつまでも握ってないで、アリステロスが解決していた山のような問題を解決する方法を教えるだ!」
……無。
景男は、アムと未来を重ねてだらしない
「アイアンウルフ峠の関所には、一旦、シリアス様と『幻影騎士団』に守っていただく。『モルデール騎士団』はアリステロスが完了できなかったアムちゃんの電撃で作動する地雷の作成に当たるで、どうだろう?」
アムも、マックスも、大きく頷いたが、次の瞬間、シリアスを見た。
「『幻影騎士団』は、ブラックの『漆黒騎士団』を素通りさせたから、シリアス様たちだけに任せるのは心配だわ……」
シリアスは、
「ヴァルダーは、私に忠誠を誓っている男だ。ブラックと『漆黒騎士団』を素通りさせたのは私の責任だ。だが、私を信じて、このアイアンウルフ峠の関所を任せてくれたら、必ず守り抜くと神に誓おう!」
と、言い放った。
アムも、マックスも、顔を見合わせて、シリアスを信用しきれない様子だ。
すると、おっとりサンチョが、「だったら、ここにシリアス様の見張りとしてポジラー様を残して行けばいいでねーか。アム様と兄ちゃんは、モルデールの町で、地雷を制作すりゃーあ万事解決だ。なあ、ポジラー様!」
と、サンチョは、力強く景男の背中を叩く。
景男は、吹っ飛んで、アムの胸に顔を
「ポジラー様、スケベ―はいけねぇーだ。オラの目の黒いうちは許さねぇ―!」
そして、景男とサンチョはシリアスと『幻影騎士団』とともにアイアンウルフ峠の関所の守備につき、アムとマックスは、地雷制作に分担作業することになった。
つづく
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