第19話『宿命の共感:景男とシリアス』
シリアスと『
シリアスは、
「ポジラーの奴、どんなつもりか知らないが、ここで、亡き者にしてやろうではないか……」
景男は、シリアスの
シリアスは、プレートアーマーと剣を手に引き寄せ、景男に
景男は、シリアスの思惑を知ってか知らずか、異世界に落ちた時のままの姿、
しかし、シリアスは、まじまじと景男の姿を見て思った。アムは、こんな男のどこがいいのだ。見れば見るほど疑問に思う。
それもそのはず、シリアスは、180㎝の長身イケメン、長い艶やかな金髪をなびかせ、
対する景男は、169cmで日本人の平均身長に2㎝足りない。顔は悪くはないのだが良くもない、どことなく気が抜けてキリリとしたところがない。現実世界では、朝から晩までゲームかSNS、たまに外出するのは人気アイドルの『Tropical Breeze』の
そこにも、まるで、大学生のように、赤と黒のタータンチェックのカジュアルシャツを着て、ケミカルウォッシュのワイドジーンズの尺を切らずに5㎝ほど
そんな、男のことをいくら、ハルデン家の始祖ポジラーにそっくりだからという理由で、貴公子の自分を差し置いて、ヨレヨレのオジサンのほうが良いというのだから
景男とシリアスは、教会のベンチに、
シリアスが、景男に意地悪な眼を向けて質問した。
「ポジラー殿は、異世界から来た
ご近所さんの世間話で、一番イヤなニートへの質問だ。
しかし、景男はニート10
景男は、クールな決め顔をして、「私は、愛する
シリアスは、「まさか!」イケてない景男の口から自信たっぷりに、ナイトのような言葉が聞けるとは思わず驚きの声をあげ、
景男は、シリアスに畳みかける。
「シリアスさん、あなたには、心から愛した女性はいますか?」
ここまでが、ニートの景男のイヤな質問への返しネタだ。
シリアスは、景男の質問に押し
シリアスは、ポツリと言った。
「私にも、一生を捧げようと心に決めた
形勢逆転である。景男は、シリアスに
「シリアスさん、同じように
朝に、アムを
シリアスは、ポツリポツリとマリーナとの思い出を語り始める。
「私にはかつて
シリアスは、マリーナとの思い出を景男に打ち明けた。
景男は、一通りシリアスの話を聞き終えると、大きく
「わかる! シリアスさん、愛しい
と、景男は、シリアスの両手を掴む。
手を掴まれたシリアスは、
景男は、目を輝かし、胸の前で握り拳を振り上げて言った。
「シリアスさん! オレは現実世界で、涼宮未來ちゃんを! シリアスさんは、マリーナさんを取り戻そう!」
と、
それまで、二人の
「若様! ポジラー殿! 二人の
二人は、一瞬、顔を向かい合わせて、目を合わせた。二人声をそろえて、「それは……ヴァルダーさんがどうにか……」
ヴァルダーがまた大声で笑って言った。
「わっはっは~、若様! ポジラー殿は面白いことを考える。
景男とシリアスは、声をそろえて、「何がご安心だよ~」
と、その時、教会のドアが開いた。
「ポジラー様、見つけました!」
アムの命令を受けたモルデール騎士団と、マックスとサンチョだ。
つづく
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