第16話『シリアスの嫉妬:復活のポジラー』
「
シリアスは教会の
「若様、ポジラーとか申す者は、中々に、
シリアスは、ポジラーを認めたような発言をしたヴァルダーを、「お前は、ポジラーの味方か!」とキッと
ヴァルダーは、
コンコン!
そこに、『幻影騎士団』の団員が、教会の扉をノックした。
ヴァルダーは、怒声を発して、「入れ!」
団員は、入り口で
「ヴァルダー様、ゴブリンの
ヴァルダーは、
「若様、これは困ったことになりましたな」
シリアスは、キリっと身を立て直して、「私のモルデール、いや、アムをそう簡単には渡しはせぬ!」ベンチに座りなおした。
シリアスは、切れ長の一重をヴァルダーに向け、「そうだな、我らの念願を果たすためには、まずは、アリステロスの弱味を
その頃、モルデールの町では、景男の提案で(ていあん)、『幻影騎士団』に殺された子供のホブゴブリンの
葬儀とはいっても、ポンポコポン、ポンポコリン! と太鼓とリズムに合わせた
寝むったように
「アーメン、ソーメン、ヒヤソーメン! アラビンドビン、ハゲチャビン!」
ピロピロリン!
景男が、テキトーなお経を唱えると、
夜空の月から、横たわる子供のホグゴブリンに向けて、あたたかな月光が差し込んだ。
アリステロスは、ステータスでは魔法が使えないはずの景男が、おそらく
「この呪文は、始祖ポジラー様が使われた伝説の
パチパチ!
棺桶に横たわる子供のホブゴブリンの目が開き、手を合わせる景男としっかり目が合った。
「うぇ?」
景男は、思わず二度見した。
棺桶に横たわる子供のホブゴブリンは、
長い
「ウキャッキャー、ウキウキ!」
長老が何か言った。
すると、今まで太鼓を叩き、踊っていたホグゴブリンたちが、皆、景男を
この光景には、冷静なアリステロスも驚きの声をあげた。
「これは、
アリステロスの
「アリステロス! ポジラー様の復活の呪文があれば、亡くなった父上と、母上の復活も叶うやもしれぬのではないか!」
アリステロスは冷静に、「はい、ポジラー様の呪文が真の物であれば、グレゴール公と、セシリア様を復活させることは
「しかしなんじゃ?」
アリステロスは
「グレゴール公と、セシリア様の
アムは、現実的な意見を言うアリステロスにすがるように、「アリステロス! お前も父上と母上を事故を装って、ダークス卿が仕組んだものとわかっておろう!」
アリステロスは、静かに首を横に振り、「あくまで、それは可能性の話。実際に、事故にあわれたグレゴール公と、セシリア様にしか真実はわかりません」
アムは、アリステロスに食い下がる。
「なればこそ、ポジラー様の復活の呪文で、父上と母上を復活させて
アリステロスは、
「姫様、もし、その計画が失敗し、その
アムは、突然、景男の腕に抱き着いて、「それでも、私は、ポジラー様の強運と奇跡に賭けてみたい! シリアスとはきっちりケジメをつけるぞ!」
景男は、何の話かわからずキョトンとするだけだった。
つづく
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