第13話『ホグゴブリンの襲撃:教会の防衛戦』
ハルデン家が治めるモルデールの町の外れにある教会を借りの宿とするシリアスの
団員の一人が、教会の窓から外をみると、時間とともに、赤い目が無数に増えて行くことに気がついた。
「なんだこの数は、ヴァルガーデンをたまに
また、別の一人が、増えつづける赤い目に驚きながら、『幻影騎士団』の
「俺たちは、30人しかいない。パッと目算したがゴブリンの数は、俺たちの3、4倍はいるぞ。
さらに、別の一人が、
「シリウス様も、ヴァルダー様も不在の俺たちに、この数を本当に相手にできるだろうか……」
と増え続ける赤い目に、団員たちの不安はつのる。
キュイイ―――!
森の静けさを、つんざくようにホブゴブリンの鳴き声がこだました。
しかし、ホブゴブリンは平和的種族ではあるが、
ポンポコ、ポコポン!
ホブゴブリンは教会をぐるりと取り巻きジリジリと
軍楽隊につづいて、
その後ろにつづいて、
老王は、若いホグゴブリンから文字の書かれた
と、そこへ、
ヴァルダーは馬を降り、背中の
「『幻影騎士団』の騎士たちよ、皆、表へ出よ!」
騎士団長の命令だ。
ヴェルダーは、並んだ団員の
「このゴブリン
「おおっ!」
ヴァルダーの
馬上のシリアスが、
「皆の者、ヴァルダーの申した通り褒美は意のままだ。私がモルデール
と、高らかに
「おおっーーー!」
整列した軍団から
そして、シリアスが天高く剣を突き上げ叫んだ。
「かかれ……」
「ちょっと、待った―ーー!」
シリアスが、剣をホブゴブリンの群れに振り下ろそうとしたとき、またまた、突然、頭の上にワームホールが開き、景男が落ちてきた。
「若様!」ヴァルダーが、シリアスの身を案じ、すぐに駆け
景男は、馬から転げ落ちたシリアスを
「ええい、何度も、何度も、私の上に乗りおって!」
シリアスが、景男を
ぺちゃ!
シリアスが景男を跳ね飛ばしたときに、景男の足が
「ヒ―――ッ!」
シリアスは、神経質だ。顔の手入れも
「ポジラー、
と、すごい
キー――ッ!
足元が
およよ!
景男は、反動で「ブチュ!」とシリアスとキスをした。
シリアスは、景男を
景男はというと、ヌラヌラする景男の背中から振り落とされまいする子供のホブゴブリンが、
すると、それに合わせて、森から「ポンポコポン! ポコポコポン!」ホグゴブリンの軍楽隊がリズムを取りだした。
景男がフラフラするのを面白がるように、太鼓の音が増えてゆく。
ポポンガ、ポポンガ、ポンポコリン!
ポポンガ、ポポンガ、ポンポコリン!
仲間を殺され怒り狂っていたホグゴブリンが、景男の怪しい踊りに乗せられて、今や怒りはとけて、一緒になって面白そうに踊っている。
と、そこに、レザーアーマーに収まりきらない腹を突き出したサンチョが駆けつけた。
「あんでまぁー、怒ったはずのホグゴブリンが、ポジラー様と一緒に踊ってら、スグに帰って兄さに教えてあげねぇーと」
つづく
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