消えたバイクの謎

もっちゃん(元貴)

郵便局のバイク

 私が友達の家に遊びに行って帰る途中に、不思議な出来事があったので、その体験したことをここに書き記します。


 ある日の夕方、私が自転車を漕いで家に帰るため、近道をしようと思って、木が生い茂る舗装されてない道を通り過ぎて、市道に出た時の事でした。


 このときは、私が自転車に乗っている地点から見て、前に二軒だけ家が並んで建っていて、その二軒の間には、自転車と歩行者が通れる小道があります。そこを、私は通ろうとしてました。


 左右の道路の説明をすると、左側の道路は、左右に目の前にある二軒以外は、建物はなくずっと田んぼの中を通ります。


 右側の道路は、前にある二軒をそうように曲がりながら、信号のない交差点に入ります。



 左右の確認をして、もう一回右側の道路の曲がった先もしっかり見て、車や人もいなかったので、自転車のペダルに足を乗せて動きだしたときでした。


 ブロローとエンジン音が急に聞こえた後、

 


 ーガチャン



 いきなり郵便局のバイクが出てきて、バイクの前タイヤが私の右足にぶつかりました。


 

 何が起きたか一瞬わかりませんでした。だって急にバイクが現れたのですから!


 「すみません」


 私は、ぶつかった足元を見ながら、自分が悪いのかどうかもわかりませんでしたが、思わず謝罪の声が出てしまいました。

 ところが、私が謝罪の声を出したのに、バイクの運転手は、ずっと無言のままでした。

 

 なので、視線をバイクの運転手に向けると、なぜか、フルフェイスのヘルメットをかぶっていたのです。しかも、目の部分もサングラスのようになっていたので顔の表情もわからないままでした。


 その運転手が、私にお辞儀をして、何事も無かったように、無言で立ち去ってしまったことに疑問を持ちましたが、あたりは暗くなってきたこともあって、早く帰らないと一気に暗くなるなと思い、自転車にペダルをかけ漕ぎ出そうとしたところ、さっきバイクとぶつかった足首あたりが、急に痛みだしました。


 靴下を履いていたので、靴下を捲ると擦り傷があったのですが、バイクがそんにスピードが出ていなかったので、血は出ていませんでした。


 まだ私は、ぶつかった時と同じ道路の真ん中のあたりにいたので、左右確認すると、左側に向かって走っていったバイクがいなくなっていました。


 あれ?おかしいな。この道は、結構遠くまで真っ直ぐな道であたりには民家もなく、田んぼの中を走るだけなのに、どういうこと?と思いながら、家に向かって帰っていったのだった。



 当時は、この出来事を深く考えて無かったのですが、今となると郵便局のバイクの運転手が怪しく感じてきました。



 一体あの郵便局のバイクと運転手は、なんだったのだろうか。



 

         終


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

消えたバイクの謎 もっちゃん(元貴) @moChaN315

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画