愛を叫んだっていいだろう

鐘を鳴らす怪物

第1話再開

「ようやく会えるね」魔法陣を組み立てた中に、人体蘇生の

 材料を準備した。錬金術。錬金術とは、化学要素の一つであり。

 思想、宗教、哲学、医学等。あらゆる分野を超越するものと言われている。

 神が与えた。素晴らしいものだと、一部の連中はほざいている。

 私は、その素晴らしい錬金術で愛する人を甦らそうとしている。

 私の名前は、メアリー・ケイシャ。14の時に国家錬金術師になり。

 様々な任務をこなした。国の道具として、他国との戦争で人間兵器として

 戦地へと駆り出された。そこで、何人もの人の死を見てきた。

 国は、弔う事もしない。本当に、私たち錬金術師は兵器としてしか

  見られてはいないと、私は思う。

 じゃあ、なんで、私は錬金術師になったのか。それは、愛する人を

 甦らす為。フランヌは、とてもいい女だよ。同じ女の私が言うから

 世間一般的にも、いい女だと思う。私は、そんな彼女の事が大好きだ。

 友としてではなく。恋愛的な意味で、私は彼女の事が大好きだ。

 あの、銀色の綺麗な長い髪も、真っ白な触れると冷たい感触が

 触れた指に伝わる。私は、フランヌの全てが好きでたまらない。

 この感情は、誰にも止められない。そんな、フランヌも

 私と同じ感情を芽生えている。それは、とても嬉しい事だよ。

 私たちは「ねぇ、メアリー」私たちは「もし、国が私たちの事を」

 私たちは「私たちの関係を許してくれるなら」私たちは

 「そんな奇跡みたいな事が起きたら。私たちずっーと一緒にいようねぇ」

 「うん。死ぬまで。私たちは、ずっと一緒だよ」そう私たちは

 約束をしたのに。そんな奇跡は起きなかった。なぜなら、フランヌは

 死んだんだ。突然死って言うらしい。何で、フランヌが死んだのか。

  それが、もう一つの理由。私が、錬金術師になった。理由の一つ。

  フランヌの死の真相を探る為と、もう一度、フランヌに会う為。

 私は国家錬金術師になったんだ。それが、ついに叶う。

 この人体の創成が成功すれば。私は、またフランヌに会える。

 「よし。人体創成に必要な物は、全部揃った。あとは、錬成するだけ」

 魔法陣の外側で、私は深呼吸する。吸って吐くのを三回。高鳴る心臓を

 落ち着かせる。「よし、やるか」気合を入れて、両手をパチンを叩き。

 私は、人間を蘇らせる儀式を始めた。魔法陣から、眩い青いいかづち

 轟音を響かせる。そこに一筋の青い雷が、魔法陣の真ん中。

 人間の頭蓋めがけて落ちる。そこで、家全体が静まり返る。

 「どう、なったの?」人体蘇生は成功したのか。それとも失敗したのか。

 もし、成功なら。何かしらの代償を私は払ったのか?錬金術は等価交換だ。

 何かを得るのは、何かしらを払わないといけない。だが、私の体には

 特に何も失っていない。「じゃあ、人体蘇生は失敗?」私は、膝から崩れ落ちた。

 目から一滴の涙が零れる。「私はただ、ただもう一度だけ。フランヌに会いたい

 だけなのに・・・・・・」涙を零す。私は、体起こす事ができなかった。

 力が入らないのだ。自分で立つ事ができない。それぐらいの心のダメージが

 大きいのだ。人体蘇生は、そんなに簡単にホイホイとできる事ではない。

 それなりの準備がかかるのだ。「また、最初からか・・・・・・」また、最初かた

 人体蘇生に必要な物を集める必要がある。今度は、どのくらいかかるのか。

 それでも、私は諦めたりはしない。だって、だって、私は

 「私は、諦めたりはしない。もう一度。やってやる。何年かかろうが、

 いくらお金を注ごうか構わない。私は、もう一度。もう一度

 フランヌに会いたい」それだけで、私は体を奮い立たす。

 フランヌに会う為に、私は錬金術師になったんだから。

 体を立ち上げて、魔法陣の前に向かう。すると、そこには

 何か人影のような物がいる気配を感じた。「だれ?」私の問いに

 その人影は答える。「私よ。メアリー」私の名前を呼ぶ。

 この声は、もしかして「フランヌ?」そう私が聞くと

「そう、私よ。フランヌ。また、会うことができて。私は、嬉しいよ」

 あぁ、そうだ。この声。この透き通った癒し声は、間違いない。

 彼女だ。「やっと、やっと会えた・・・・・・」涙を零す。

 私は、フランヌの元に駆けだす。私は、成功していた。

 錬金術で、人間を蘇らす事に成功したのだ。

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