第14話
☆少し短いですが、どうぞ。中々街に入れない😔
(真贋判定は、俺の任務遂行の為でもあるが、今後の彼女の為にもなる。
「ですよにぇ。その鑑定をする方に、心当たりはあるんですか?」
俺の心配など余所に、嬢ちゃんは実に呑気に喋っている。
「えぇ。幸い、魔従族を研究している賢者が近くにいるのですが、そいつに依頼はどうでしょうか?」
(えぇい、まどろっこしい。鑑定でもなんでもしてもらえ。こちらは、神から下賜された本物だ。なにも躊躇することはない)
(分かった。ただ、私も保険は欲しいから条件を出すよ)
(なんでもいい。やってもらえ)
ジョウは、うだうだするのを好まないか。私は今、ジョウの苛立ちを体感している。ジョウの尻尾が、足にピシピシ当たって痛いんだ。
「賢者さんですか。偉い人ではにゃいんですか?」
そんな簡単に依頼出来るの?隊長とは言え、一介の兵士が簡単にアポイントを取れるものだろうか?
「偉いのは間違いないですが、本人は全くその気がありません。それに賢者と呼ばれていますが、普段は魔従族の研究で引きこもっている研究者の方がしっくりきます。気安いぐらいが、奴にとっても気楽でしょう」
そう答えるローハンさんの視線は、ジョウのぶんぶん尻尾だ。気になるよね、すみません。
「分かりました。そこまで仰るにゃら、お願いします。但し、一つだけ条件があります」
「なんでしょう」
「鑑定は、私にょ目にょ前でやること。もちろん、ローハンさんを疑っているわけではないことを念頭に置いてて頂きますけど」
私の条件を聞いたローハンさんは、一瞬おやっ?となるが、直ぐに破顔して頷いた。
「分かりました。賢者にもそのように伝えましょう。しかし、お上手ですね」
「そうですか?お婆様に教わったことを実行しているだけですよ。ジョウがいるとは言え、幼子が旅に出るのは不安だったみたいですから」
「それはそうでしょうな。では手紙を認め、賢者に使いを出しますので、半刻ほどお時間を頂けますか?」
「構いませんけど、私はそにょ間どうしましょう?」
待つのは嫌いではないが、退屈なのは嫌いだ。あぁ、誰かスマホプリーズ。そんな時、誰かの腹の虫が盛大に鳴る。
「グゥギュイ〜!グゥグゥ〜ルゥ〜!」
「「「……」」」
ローハンさんとルイさんの視線は私に……。
「は!?私じゃにゃいですよ!?犯人はコイツです!」
私が指差した先には、私の膝の上で、器用に両前足を使って顔を隠すジョウがいた。
まさに!頭隠して尻隠さず!!
「ルイ、厨房に案内してやれ。なにか食べれそうな奴を見繕ってやれ」
「はっ!……では、食堂へご案内致します」
「お願いします」
私が立ち上がる直前に、ジョウは膝から飛び降り、ルイさんの足元を陣取った。やっぱりジョウの二つ名は、「食いしん坊のジョウ」に決定だよね。
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