第3話

縦半分に見える物と、そうでない物には何か差があるのか、紙に列挙して何か法則性が無いかと考えてみたけれど、わからなかった。

「ふーむ、面白いねえ。何か共通点がありそうな気もするけどねえ」

予後を診てもらうために通院してる病院で、僕が書いたリストを眺めながらかかりつけ医はそう言った。

「半身失調とは明らかに見え方が違うし、脳にも眼にも検査で分かる限り異常は見つからない。何なんだろうねぇ。それにしても君、今日はすごい寝ぐせだね。それも縦半分のせい?」

「あー、いえ。これは寝坊して飛び出してきたから身だしなみ整えれなかっただけです。そういえば……今日は鏡にちゃんと全身映ってました。」

「そうだったのかい。案外シンプルな共通点があるのかもしれないね。他に日常生活で困ったことはないかねぇ?パソコン使う時とか大変じゃない?」

「そうですね。画面は見えてる半分側に作業中のウィンドウを縮小・移動して、キーボードは配置を覚えているので何とかなってます」

「へえ、工夫してるんだねぇ。それじゃ今の所は大丈夫そうかな。また何かあったらいつでも来なさい。」

診察室を後にしながら、とりあえず紙に書き加えた。

縦半分に見えない物:寝ぐせがひどい時の自分の姿



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