第2話

 髭を剃るにも、服を着るにも、見えていない半分を手探りで確認しながら行わなければならなかった。

 不思議なことに、全身が鏡に映る日もあれば、縦半分にならない服もある。道行く人も全員が縦半分というわけではない。まあ縦半分に見える方が不思議なことには違いないが。

 縦半分の謎を探るため、ほぼ必ず縦半分に見える物、縦半分に見えることもあれば全体が見えることもある物、ほぼ全体が見える物、の3種類に分類をしていった。

まず、ほぼ必ずと言っていいほど縦半分に見える物は車、スマホ、テレビ等の工業製品がほとんどだった。

次に、縦半分と全体どちらにも見える物は、人、服、あとは建物などだった。全体が見える場合と縦半分の場合での違いはよくわからなかった。強いて挙げるなら、全体が見える服は派手なデザインが多かった気がする。

ちなみに自前の服は、何故か軒並み縦半分しか見えない。

最後に、ほぼ全体が見える物は樹木、信号機、写真の中の風景など様々だった。

これらの中から法則性を見つけるのは難しそうなので、ほぼ必ず縦半分に見えるものから考えることにした。

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