再会
「悪い!遅くなった。」
ダッシュで現れた佐藤先生。
「先生遅刻だよ!」
アンナと菜乃からブーイングを受ける先生。先生が私に気がついた。
「おぉ。北川か。久しぶりだな。」
「こんにちは先生。元気にしてた?」
「あぁ。北川も元気そうだな!北川、ちょっと太った?」
「えぇ?先生ひどい!」
「ははは。冗談だよ。」
「二人ともそんな話は後でいいから早く食べに行こうよ!」
「はいはい。」
「先生今日は焼肉がいい!」
早速菜乃が提案する。
「焼肉?お前らメチャクチャ食いそうだな...」
「先生遅れて来たんだし文句はなしだよ!真央も焼肉食べたいよね?」
そう言いながらアンナが私の服を引っ張る。
「うん...... 」
「真央もそう言うんだから決まり!」
「北川。そこはマックって言えよ...... 焼肉な。でも店は俺が決めるから。」
「やった!美味しいお店お願いしまーす。」
大喜びのアンナと菜乃はスタスタと歩き出す。
その後ろを先生と私はついて行く。
「先生。本当にいいの?」
「北川が心配することじゃないよ。まぁお前らは俺のカワイイ生徒だからな。」
そう笑って話す先生。
店に着くと、アンナと菜乃は早速注文する。どこから見ても大人には見えない女の子3人と男性1人。周りから見たら異様な感じなんだろうな。
食事中私たちは先生に色んな話をした。先生はそれに付き合って聞いてくれた。先生は高校の時と何も変わってなくてなんだかホッとした。アンナと菜乃が先生と定期的に会ってる理由がわかった気がした。
「はぁお腹いっぱい!先生ごちそうさま!」
そう言うと店を出る2人。
「しょうがないなぁ。北川も外出て待ってて。」
「えっ?でも......」
「教え子から金取れるわけないだろ!これぐらい払えるから大丈夫だよ。」
「わかった......」
そう言って店を出ると店の前でアンナと菜乃が待っていた。
「真央、もしかしてお金払ったの?」
「ううん...... 先生が払ってくれるって。」
「でしょ?本当いいヤツだよ先生は。」
アンナが言った。
しばらくしてお店から出てきた先生に
「先生ごちそうさま!今度は冬のボーナスの時ね。真央もまた連絡するね!」
そう言ってさっさと帰って行く2人。
「お前らなぁ...... もう電話してくるなよ!気をつけて帰れよ!」
そう言って見送る先生。口ではそう言ってたけど、2人の後ろ姿を見守る眼差しはすごく優しかった。
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