第一節 SCENE-005「見習い、夜狩を終える」
「先走りすぎだよ」
「鏡夜が遅いから」
国津神――地脈の管理者からの支援が望めるとはいえ、メトセラと比べて遥かに非力かつ、脆弱な徒人の身で妖魔と相対する以上、討滅士は二人一組での行動が原則とされている。
討滅士云々を別にしても、お互いの安全のため、夜狩の間は二人で行動するべきなのに……と。いつもの調子で理論武装した鏡夜の批難がましい声に、伊月は「ついて来れない方が悪いのよ」と言わんばかりの態度で取り合わない。
「ハァ……」
どこまでも自分本位な伊月の振る舞いにも、鏡夜は慣れたものだった。
聞き入れられないとわかっていても、一言くらいは言わずにいれない。
それこそ母の
「今日はこれで打ち止めかしらね」
目に見えて形の崩れてきた妖魔の骸から、伊月の手が幾つかの欠片に砕かれた
「そうだね。……そろそろ夜も明けそうだし」
そうすることが当然のよう、自然な態度で差し出された
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます