あながち、間違いでもない

 お姑さんが布団カバーを掛けてくれた。

 お母さんが戻ってこない。

 トイレの換気扇どこ。


 全てない事。

 母よ、どこの世界軸の話なの。

 お姑さんとも、結婚してからは自分の母とも同居したことないはずだし、うちのトイレに換気扇はない。

 そもそも、冬布団を出しカバーを掛けてたのは私だ。母はそれを見ていた。

 お姑さんはとっくにいない。

 母の母もとっくにいない。

 トイレの換気扇もない。

 無いったら無いのだ。


 私と自分の母を混同していたと、はっきりしている時の母の談。いっぱいお世話してくれるからお母さんと思ったのだと。

 確かに1年365日24時間体制ではあるけどね。誰が母か。

 そして、今度は母より先に死んだ自分の妹と混同して、


「今日帰んのか?」


 とか言われた。

 なぜ生きている兄妹でなく、唯一死んだ叔母さんをチョイスしたのか。


「どこに帰んだ?」


 さあ。

 死んだ人ってどこに帰るんでしょうね。ココじゃない何処かへ、帰って良いなら帰るけども。


 母は私と死人を間違える。


 間違えてる?

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