第2話 お姉さんが叔母になった日

 この頃もお姉さんは隣の貸店舗で美容室を経営し、夜は祖母のクラブでアルバイトをし、祖母のクラブでは、客に直接接待するのではなく、カウンターの中でバーテンをしていた。


 そして和聖の父の弟である叔父が前妻と別れて彼の家に居候として同居するようになった。叔父は根っからの遊び人で、仕事をせずに博打三昧を繰り返し、妻子がいたにも拘わらず他の女性と不倫を繰り返した挙句に、祖母の資金で開業していた喫茶店を倒産させてしまい離婚した。


 その後、行くアテがなくて和聖の家に転がり込んできた。狭い家に居候をされても困るので、祖母が経営していたアパートの一室が空いたのでそこに住むことになった。それでも金のない叔父は朝夕食と入浴は彼の家で取ることになった。


 その後は家族同然として付き合いをしていたお姉さんと叔父が良い仲になっていった。二人は結婚することになり隣町にある品川区八潮の都営住宅に引っ越した。その引っ越しも和聖と父で手伝った。その時に叔父とお姉さんが仲良くする姿を横目で見ながら当時はヤキモチの気持ちが芽生えたことは言うまでもない。


 ここからは「お姉さん」を「叔母」と「貴子」に変える。


 しかしそんな仲の良い二人の姿が永遠に続くことはなかった。会社員になった叔父は女好きの悪い癖が出て、結婚後一年でまた別の若い女性の家に入り浸りになり、その度に貴子が和聖の家に来て、両親に愚痴を聞かせていた。


 ※ ※ ※


 和聖が高校三年になったある日曜日の夜の事だった。その頃にも貴子はクラブが休日の日曜日の夜なども彼の家で両親と一緒に晩酌し夕食を共にして宿泊し相変わらず家族同然の付き合いをしていた。それと言うのも、叔父が家を空けていたので余計だった。


 当時の和聖は貴子が泊まる日は毎日行っていたバイトを休んでいて一緒に話を聞く事にしていた。しかし大人の話をする時には両親は彼を遠ざける事があったが、そうでない時は同席していても何も言われなかった。


 和聖の弟が習い事の帰りに交通事故に遭い、救急車で病院に運ばれたとの連絡が入った。それまで両親と貴子は酒を酌み交わしていたが、その連絡をもらった両親は慌てて病院に駆けつけた。


 残されたのは和聖と貴子だった。二人きりの部屋の中で彼の左隣に彼女は無防備なパジャマ姿で仰向けに寝転んでいた。プンプンと漂う大人の女性の色気があり白く透き通った豊かな胸の谷間が見え隠れしていて彼はもうどうなっても良いと思っていた。


 和聖は貴子の上着の腹の部分から手を入れて、ブラ越しに豊かな胸を右手で揉みしだき顔をうずめた。夢にまで見た光景を目の当たりにして彼は激しく興奮をして、既に自身の下着の中に迸っていた。


 そんな中、貴子は和聖を遮ることなく、そのまま彼のやりたいようにさせ目を閉じていた。それを良いことに彼は大胆になり、パジャマのズボンのウエスト部分から中に右手を入れ徐々に下着の中に入れた。


 そして貴子に覆い被さり自分の唇を重ねたが、彼女は口を開いてはくれなかった。しかし徐々に彼女も積極的になり鼻息も荒くなり出した。しばらくの間、彼女は目を瞑りジッとしていていた。それでも彼は口を開かそうと必死に舌で唇をこじ開けてディープなキスをした。


 更に和聖はエロ本で学んでいたことを実行しながら貴子のズボンと下着を脱がした。やがて彼女が「ハッ!」と我に返ったような反応をして顔を横に背けたが、今度はそのまま頬や首筋を舐めまわした。


「いや! ダメよ! 和ちゃん、やめて!」


 貴子は手足など全身を激しく動かしながら抵抗したが、大きな声は出さなかった。彼女が抵抗して動いたことが、かえって良かった。足からパジャマと下着を脱がすことができ、彼はそのまま彼女の下半身に顔をうずめ、エロ本の指南通りに愛撫した。


「和ちゃん、ダメ! そこは、汚いから!」と貴子は叫びながら頭を押さえたが、和聖は興奮が最高潮になっていて続けると、「和ちゃん、ダメッ!」と呻いた瞬間に体をガクンと痙攣させて動かなくなった。


 和聖はズボンを慌てておろして貴子の両脚の間に体を押し込み、グイグイと力任せに押し当てた。やがて彼の腰使いも慣れて激しく突きまくっていると、彼女は絶頂の単語を口にした。そんな言葉など知らなかった彼はびっくりしたが、そのまま激しく腰を打ち付けると彼女は切なく絶頂の単語を羅列させ、その後は体を硬直させた。


 この時の和聖は女性の中に挿入して動いた結果がこうなる事は知らなかったが、後に貴子から知らされた時に、年上の熟女にそうさせた経験は彼自身の自信にも繋がり感激したことは言うまでもなかった。


 そしてこの時に我慢できなくなった彼は彼女から離れ、腹の上に出そうとしたら顔まで飛び散ってしまった。先ほど自身の下着の中に夢精してしまった事から、それほどの量ではなかった。


 貴子はそのままの体勢で、息を荒げていながらも、放心状態で天井の一点を見つめて暫くボーっとしていた。和聖も自分でしでかしたことながら、どうしたら良いのか分からず、彼女の横にジッと座っているしかなかった。


 少しして貴子は起き上がり、ティッシュで腹を拭き取り、足首に絡まっていた下着とパジャマを穿き直して和聖を仰向けに寝かすと妖艶な姿で髪を掻き上げながら彼を優しく掃除した。


 その後に、「和ちゃん、今日の事は誰にも言ったらダメだからね」と彼女が言い残して浴室に行き出てくると何事もなかったかのように食卓に座ってお茶を飲み出した。その後の和聖は何だか照れくさくて一言も話すことができなかった。


 そうこうしている内に両親が帰って来たので弟の怪我の様子を聞き、その後はそれぞれの部屋で朝まで就寝した。後に貴子から聞いたことだが、和聖とは遅かれ早かれこのような関係になると思っていたとのことで彼としては罪悪感から解放された。

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